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Category: 広告への呟き

創意とは、マイナスをプラスに変えること

(イメージソース:http://www.casaoito.net/coca-cola-security-cameras)   ある物事に対して、我々は心の中ですでに既成概念をもっています。例えば、刺青があれば必ず麻薬をやっている、金髪であれば絶対不良少年である、筋肉隆々であればきっと肉好き?女の子であれば必ず人形が好き、男性は必ず浮気をする…(最後の例は良くないですね…)。   刻まれた印象の多くがマイナスの先入観です。では、防犯カメラに対する、あなたの印象は?監視、隠し撮り、不快感、暴力や罪と関係がある、非安全と関係があるなど。   これはラテンアメリカのコカコーラの広告です。我々のイメージにおいて、ネガティブな防犯カメラが、幸福、愛、平和、友情に満ちたものとなり、真の感動の幸福なキャッチャーとして1秒1秒を捕らえています。本来は薄汚れた片隅に設置され、隠れて撮影を行うカメラが捕らえたのは、1秒1秒の幸福の時でした。 コカコーラは何を伝えたいのでしょうか?市場はラテンアメリカで、やや「安全ではない」とされるエリアです(これは私のラテンアメリカへの既成概念です)。コカコーラのブランド主張は「Open Happiness」であり、このため、このような安全ではない販売環境でHappinessと主張するために、当地の人々と関連のある「安全」「監視器」といった素材と共に、ありきたりの印象を覆す言葉「Let's look at the world a little differently」(異なる角度で世界を見てみよう)で、消費者の頭に刻まれたイメージを揺り動かしています。 (イメージソース:http://cargocollective.com/pattyorlando#Coke-Open-Happiness)   広告では、監視カメラで映された画面から、幸福や愛に満ちたひと時を選出しています。これは決して役者が演じているものではなく、本当に監視カメラで映されたものを選出したと、私は信じています。役者が演じたのであれば、真実の効果が全くなくなり、広告にマイナスイメージがもたらされるからです。   広告主は永遠にマイナスの言葉を使わず、消費者とコミュニケーションしています。このため、創意を用いて情報を昇華させ、「ブラックボックス」の転換を行い、新しいプラスの言葉で、消費者に幸福と同時にコカコーラを記憶させているのです。   Coca Cola Security

伝説的演出: 悪意なき嘘

  コマーシャルに出演するキャラクターはどうしていつも大げさと思えるようなリアクションをせずにいられないのか? なぜ、テレビに映る食品の方がずっと美味しそうにみえるのか? ? ? これは不正な悪徳商法なのか、はたまた想像力をかきたてる単なる芸術的描写なのか? まずは、制作アシスタントの話から始めましょう。    私が映像プロデューサーのアシスタントとして働いていた時、監督が希望と興奮に満ちた面持ちで私を見てこう言ったんです。「ブルース、あのチキンパティは切り開いた瞬間、肉汁と香りがほとばしらないといけない。油が滝のように流れ落ちるショットをクローズアップで撮ろう。それが食欲をそそるんだ!」そうして、監督は再び居眠りを始めました。というのも、午前4時に映像撮影をしていたのはカメラマンと私だけ。血走った目を脂ぎった鶏肉に集中させるのがやっとの状態でした。(撮影隊はすでにくたくたで働ける状態ではありませんでした。)   後に、私が広告代理店のマネージャーになった時のこと、ある日私がこっそり煙草を吸っていると、クリエイティブ・ディレクターが私を送り出しながら、こう言ったんです。「ブルース、チキンパティにもっと油を塗るよう指示して。登場する時に〔流れる〕ではなく〔にじみ出る〕感じじゃないとね。」 それが食欲をそそるんだよ!」      そのため、口説いていたエキストラをしぶしぶ残して、「にじみ出る油」と「食欲」の間の明確な関係を示すロジックを考え出さなければなりませんでした。 私はチキンパティに油を塗りつけ、搾り出し、手を加えるように指示しました。 まるでダムが崩壊し、通り道のあらゆるものを破壊していくように、油が肉から流れ出ました。   数年後、会議に出席している時、あるクライアントからこんな意見が出ました。「なぜ油があまり出ていないのか?」少しも美味しそうに見えない… これじゃ、当社の製品を全く表現できない!」 「なるほど!ごもっともです!もっと油を滲み出させて広告を撮り直しましょう。結局は、それが食欲をそそるんですよね!」私はそう答えました。   フライドチキンが、注文されてから加工、フライを経て提供されるまでに数分または数時間がかかり、消費者の皿に乗った頃には、決してあんな風に見えないことは誰もが知っています。 もし、あのように熱々の状態だったら、舌のやけどで顧客から訴えられるかもしれないと不安になることさえあるでしょう。   

E3展 ゲームシーン!素晴らしいゲームシーンを!

私はゲームの専門家ではないので、エキシビション参加にあたり、主な目的はメーカーが会場でどういった方法を用いて競合他社と競うのかを見ることでした。もしかするとE3の参加対象がゲーム産業に関わる人たちやゲーム業界のメディアで、一般のゲーマーではなかったせいか、台湾や東京のGame Showで見られる歌やダンス、クイズゲームに大規模なプレゼント、コスプレイヤーによるショーステージ、アイドルのイメージキャラクター等の会場イベントがこのE3では見られませんでした。 ▲「会場イベント」による観衆と商品の結びつけが必要無いのならば、両者をつなぐ媒体は自然とムービーということになります。 一万元以上のチケット代を払って来場する人たちは、すでにターゲットの商品が決まっています。さらに研究討論会議に参加して、残りの時間でその他商品の新動向をチェックし、出展メーカーもまた完成させたばかりの重大なマイルストーンとなるゲームを全力でアピールするのです。 メーカーとバイヤーとの需要供給が大変明確であるため、E3に出展する各メーカーはイベントを行って集客したり、見た目だけの特殊効果に凝って欠陥のあるゲームシーンを製作したりする必要は無く、新たに、そして完成されたゲームの特色をそのまま披露すればよいのです。このため、ムービーの重要性はより高くなり、ムービーが商品と観客を結ぶ重要な媒体となるのです。しかし、これはムービーをより格好いいものにしなければいけないというわけではなく、完成したムービーがプロを引きつけられるものであることが必要なのです。そのため、ポイントはムービーのストーリーや構成、編集、特殊効果にあるのではなく、ムービーの内容が「プロが見たいゲームの特徴をきちんと表現できているか」という点にあるのです。 ある商品の各種ムービーについて、当然異なる観客、目的に対し、違った内容を設計します。例えば、ゲーマー向けのムービーは、特に発売が近い場合、ゲームのクールな点、スピード感のある点について言及し、特にテンポを強調して用いることで、ゲーマーの感情をうまく導きます。また有名人のイメージキャラクターを起用したり、CGを合成して新たなビジュアルを創造したり……。しかし、もしメーカーやスポンサーに向けてのものであるならば、ムービーの内容は製作チームのスタッフの経歴やバックグラウンド、スポーツカーがカーブを曲がる際に実際のハンドルがどのように振動するか、またブレーキ音などをどう再現するか、雨と晴れでのバトルで発生する異なるイベントなどを表現するものに変化します……。異なる観衆、目的に応じて違った情報を設計し、私たちの商品を好きになってもらえるように導くのです。 あるブースを通りすぎる際、スクリーンで流されているのがどんな商品なのかを見て、立ち止まって最後まで見るか。または中に入ってみてゲームを試してみるか。また、最新のゲームシーンを見るため、或いはプロデューサーのインタビューのために並ぶのか、或いはただ通り過ぎるだけなのか。 E3において、ムービーの内容が達成すべき目標というのは「プロにゲームの最も優れた特徴が何であるかはっきりと伝える」ことであり、また完璧な商品の方向づけであって、宣伝の方向づけではありません。ムービーが示すべきはゲーム商品が持つ最も優れた内容……編集や特殊効果は適度にとどめなければなりません。あまりに飾りたてられていると、逆に本当かどうか疑われかねません!さらに、会場では多くのメーカーがゲーマーのゲームで遊ぶ様子を直接スクリーンで流して会場にいる人たちにゲームの内容を見せており、一つのムービーを繰り返し流すといったことはしません。 異なる観衆、目的に応じて違った情報を設計し、私たちの商品を好きになってもらえるように導く。E3において提出しなければならないのは、綺麗にラッピングされた大きな霜降り牛だけではなく、やはり「近くで見て試せる」新鮮さと美しさが必要なのです。 E3のブースで主に紹介された以下の2つのムービーをご覧下さい E3  2012 – EA Booth Walkthrough E3  2012 – Ubisoft  Booth Walkthrough ——————————————- 作者紹介 Bruce

アングリーバードのムービーに毎度笑ってしまう!

アームストロングいわく、「この一歩は小さいが、人類にとっては偉大な一歩である」。現在、宇宙にやってきたアングリーバード。スリングショットで打ち放たれる瞬間、果たして何と言うのだろう?ニヤリと笑う?羽が抜け落ちる? アングリーバードのムービーにこれまで失望させられたことは無く、毎度笑ってしまいます!3月22日リリースの「アングリーバードスペース」。1ヶ月前に公式ホームページでこのムービーが公開され、続々と「スペース版」に関する情報が公開されました。 ムービーはおふざけから生まれたものですが、もちろんそれはいたってポジティブな発想。このような大型ゲームのもとでは、クリエーターはまさに開発チームさながらで、ムービーのアイデアで楽しく遊んでいるのです!おなじみの宇宙飛行士のシーン、ツーツーという電波音、月、それから月面といえば必ずあるアメリカ国旗。しかしそれがスリングショットに!そう、ゲームユーザーにおなじみのあのスリングショット! 予告編の中には2Dの鳥もブタも全く登場せず、ゲームのシーンもありません。もちろん全てのゲームユーザーが予想していたアームストロングも登場しません・・・・・・しかし、ムービーの中では「宇宙空間」で遊ぶ楽しさが十分に表現されています。「跳ぶな!勝手に動くんじゃない」、「ちょっと待って~」こんな宇宙飛行士とは全く関係の無いやりとりが、ゲームユーザーの想像空間から飛び出すのです。 私はスペース版の中で、引力は存在しないのか?酸素マスクは必要なのか?宇宙人は登場するのか?光線銃のようなアイテムはあるのか?とても気になります。今回は絶対にオフィシャル版のAngry Birdを買ってプレーせずにはいられません! Angry Birds Space: Discovery         ——————————————- 筆者について  Bruce 国内外でテレビCM製作、映画配給、劇場マーケティング、電通北京事務所クリエイティブコンペチーム、ガマニア内部ディレクターに携わる。現在は株式会社ガマニアデジタルエンターテインメント商品開発部課長(セクションマネージャー)。 ——————————————-  

1人の消費者を想像してひねり出す様子—ドリームウォーカーのマーケティング計画

一つの酒造メーカーが消費者にどのようなブランドイメージで販売するだろうか?ハイネケンは「やはりハイネケンが必要だ」という飲酒シーンを作り上げます。ヘネシーウィスキーは富裕層が好きな落ち着く気品のあるイメージです。私とジョニー・ウォーカーの物語は、10年前に遡ります・・・・・。 10年前、ヨーロッパで著名なハーヴェイ・カイテルはジョニー・ウォーカーに登場した後、ジョニー・ウォーカーはずっと「Keep Walking」というスローガンをこのブランドイメージとし、あらゆる海外の宣伝活動と広告に用いました。台湾でも同様に、夢の資金援助計画により、この2年間で、陳彥博、魏德聖などの著名人が自身の孤軍奮闘の物語を皆と共有し、ジョニー・ウォーカーはウィスキーを中産階級または中、上層の青年に限らず、みんなグラスを持って自分自身の夢を飲み干します。 8年ほど前に、台湾のジョニー・ウォーカーはKeep Walking gをメインのブランドイメージとして使用を開始しました。当時のブランドの状況は多くの台湾の消費者はジョニー・ウォーカーを知っていたが、このブランドは一般的な価格のウィスキーで、自慢するような贅沢品ではなく、高級感が欠けていました。そのため、消費者はウィスキーを選ぶ時、あまりジョニー・ウォーカーを選ぶことはありませんでした。顧客と広告代理店は「夢」というテーマを用いて、Keep Walkingというブランドイメージを主張しようとし、消費者のジョニー・ウォーカーに対する見方を変化させ、テレビの広告と活動を通して、消費者に新たなジョニー・ウォーカーのイメージを作り上げました。 その年の最初のCMは、広告代理店が私達の会社を指名して撮影をしました。アイデアの元はアメリカやヨーロッパの販売戦略Keep Walkingを使い、昔の友人と再会し、思い出と夢を持って、(及びジョニー・ウォーカーを1本)引き続き前へ進んで行く、という長いCMです。スタジオで、当時の私の仕事は・・・・・・・すべてのウィスキーを守ることでした!!!!!なぜか?もちろん当時の私はプロデューサーで、大道具、小道具を準備し、ショットについて話し合い、脚本に基づいて撮影するかどうかを確認します。また照明班のために常時維士比(ウェイシビ)、檳榔(ビンロウ)を補充します。しかし、1日目の撮影後、最も高いブルーラベルのウィスキーが2本無くなりました。エグゼクティブプロデューサーは憤慨し、私をスタジオに籠もらせ、すべてのウィスキーを守るように指示しました。当時、スタジオのスタッフ、エキストラは本当にKeep Walkingのように頑張って、私のところからただのウィスキーを家に持って帰りたかったのです。私はこうして一晩中寝ずにウィスキー11箱を守り、ゆっくりと自分の夢について考え始めました。そして黙ってウィスキーを1本開けました。琥珀色の液体が私の口内を滑り落ち、私は少し目を閉じました。私は罪を犯してしまいました!はは(翌日、コンビニエンスストアに言って同じ物を1本買って来ました。) もちろん、私が罪を犯したことが本日のテーマではなく、私が言いたいことは夢であり、これをどうやって撮影したらいいでしょうか?まずショットでいうと少し抽象的であり、かならず過去(思い出)、未来(夢)といった要素とリンクさせ、画面で色を抜き、極端な逆光、強い光、大きなコントラストなどを取り入れます。そのうえ、人を魅了する文字、キャラクターの台詞、および消費者に投影した「キャラクター構築」です。(やっと私の言いたいテーマに戻ってきました。感動的です!)  ▲ドリームウォーカー 私が制作に参加したジョニー・ウォーカーのテレビCMで、一般の役者を探し、主役を演じてもらい、工夫を凝らして、「上流社会」の外観のキャラクターを作り上げ、1人の上流社会に足を踏み入れた人物は、かつて豪快なサーファー少年で、友達とサーフィンをしていた昔の写真を見ながら、自分の過去と現在の夢を考えます。当時、私達がこのように作り上げたキャラクターは消費者に受け入れられ、自分に投影できると思っていました。陳彥博氏のテレビCMは、強烈な衝撃を与える映像以外に、陳彥博氏と自分自身の対話を見たり、聞いたりすることができ、同時に消費者自身の自己との対話に置き換えられます。陳彥博氏の自己の夢への疑心暗鬼、こだわり、放棄、再度の前進を消費者に向けて話し、消費者に陳彥博氏の声で自分の心の声を聞かせるようにしました。 ▲極限に到達した時、自分の声が聞こえるだろう。 消費者に投影した「キャラクター構築」。私はこのテレビCMをみて鳥肌がたちました。大酒飲みの私は思わず数個のグラスを持ちたくなりました。(奥さんを横目で見て。)私、36歳、私の夢・・・・・ 映像/引用: Johnnie Walker Taiwan FB専用ページ https://www.facebook.com/lists/274053402613268#!/JohnnieWalkerTaiwan?fref=ts Johnnie Walker Taiwanホームページ http://www.johnniewalker.com.tw

創意のロジック

広告ムービーは創意からのものです。創意は目に見えず形が無く、奇想天外です。トイレでしゃがんでいる時やオートバイに乗っている時に誰も考え付かないようなアイデアが思いつく!それはクリエイターが最も気持ちがいいと感じるときです!!閃いたらパ~~~~っとすぐにそれを書き留め、頭の中のアイデアを書き記します。そして翌日得意げにクライアントにそれをプレゼンテーションし、クライアントと同僚の歓呼と賛美の中で陶酔するのです(提案が順調にいった画面を妄想)。 ですから、創意においてロジックを語るということは矛盾したことなのです。閃きは論理的な方法で演繹推測できますか?それは大きな矛盾です!しかし、ロジックは分析や帰納・討論できると多くのクリエイターたちが思っていなくとも、ここ数年、大きな広告会社各社は自社なりの方法を編み出して、創意を述べ、発想し、編み出しています。私は学校でそれらの方法を学んだだけではなく、自らお金を払って大きな広告会社のクリエイターの秘訣を学び、「その道の達人」となる早道を見つけようとしました。 ですから、創意の背後には必ず一つのロジックがあり、素晴らしいアイデアの閃きを演繹することができると私は信じています。そして、より素晴らしい創意とはロジックがその姿形を無くしたものでしょう。つまり、論理的でありながら演繹することが難しい……でも観衆(クライアントの財布も)を感動させることができるのです! スポーツブランドの広告のトレンドは商品の機能性の紹介だけではなく、大きな創意で広告活動を進めることにあります。現地で最も流行しているスポーツを使って広告の中で理想・未来と闘志を売るのです!商品が十分大きくなったら(販売数が十分多くなったら)、広告の中で消費者へ「訴える」ことが次第に「深く」なり、形が無くなれば無くなるほどその全体像がつかみにくくなり、質的・数値的な分析ができなくなっていきますが、格好良くて爽快に見える広告ムービーとなります このNikeの新しい広告は、ブラジルナショナルチームの新しいユニフォームを宣伝するという目的を持っています。Nikeと広告代理店のSaatchi & Saatchiは、チームに自分とのゲームをさせています。 この新しい広告と過去における多くのNikeの広告についてX軸とY軸を使って曲線グラフで説明するならば、Nikeの広告はロジックとルールが見えなくなり、どんどん素晴らしいものになっています。   Nike – Defeat Your Own Shadow             ——————————————- 作者紹介   Bruce

ALSOK CM体操の歌

「ALSOK綜合警備保障」は各種メンテナンス、保険サービスを提供する企業です。去年の初めより、世界女子レスリングにおいて連続10年チャンピオンの地位を獲得している日本人選手──吉田沙保里選手(さらに連続2回オリンピックで金メダルを獲得)を起用しました。その後、ALSOKは巷で老若男女がその名を耳にしたことのある企業となりました。CMでは歌を利用し、一般消費者に馴染み深い最適なシンボルをCMキャラクターとしました。「セキュリティ」という業務の特色をMVによるCMで表現し、まさに消費者を洗脳したのです。 2011年ALSOK「安心戦隊」の歌 外国人である私でも昨年の「安心戦隊」の曲から今年の「1、2、3、4  ALSOK」まで、一度見ただけですぐにテレビCMと一緒に歌うことができ、洗脳されてしまいました。ああ、私の日本語が進歩したのかって?もちろんそうではありません、この事実は洗脳に国境は無いこと、洗脳は使用する言語に関係なく、使用される曲調や画面によることを証明しているのです。言語が違っても簡単に洗脳されてしまうのです! 2012年ALSOK体操の歌 CMでは、たくましい吉田沙保里選手を、人々の安全を守る警備戦士に例え、業務の特長を歌に乗せて表現しています。実際に非常に良くできた方法で、業務の特長が消費者の記憶に残るように作られたCMです! 「安心戦隊」では、フィルムのトーン、マナー、色調、特殊効果において、故意に日本人に馴染み深い「仮面ライダーシリーズ」を真似ています。また、ある種の懐古的な雰囲気も併せ持ち、同時に仮面ライダーの「アクション」による視覚効果で業務の「セキュリティ」の印象を強化しています。また今年の「体操の歌」では戦士は憧れの対象から抜け出し、住民により身近に、体操の歌を歌いながら日本各地の有名な観光地や名物と一緒に撮影されています。吉田沙保里選手と伊調馨選手が話している場面を見たとき、この社の業務は信用できると感じました。それにCMキャラクターの二人の誠実さも感じました! 2012年ALSOK体操の歌メイキング映像 更に、2012年撮影のCMのメイキング映像から、日本の合成影像における技術、「光」と「視野」の合理性への取り組みをよく観察してみました。この2012年のCMはそのメイキング映像を見ると、CM場面はほぼ合成なのです。特に畳の間でのダンスの部分は、もしメイキング映像を見なければ、完全にスタジオセットでの撮影であると思うでしょう。しかし実際はグリーンバックによる合成なのです。CMで撮影機の「視野」はほぼ動いていません。さらにZoom In、Zoom OutやDolly In、Dolly OutやPanもないのです。これは撮影視野を簡単に合理的にし、さらには製作コストも抑え、Motion Control(Capture)といった高価な設備も必要ありません。また「視野」の「光」についても心配いりません。さらに映像からわかることは、故意に光の色調や彩度のレベルを弱めに、しかしコントラストを付けて、視覚的に合理性を補っている点です。 合成が良く出来ているので、視線はダンスに集まり、聴覚は歌声に引き寄せられる、とても有効な洗脳的CMとなっています。  ——————————————- 作者紹介 Bruce 国内外でテレビCM製作、映画製作とシアターのマーケティング、日本電通社の北京支社の原稿創作部門、またガマニア内では監督を歴任し、現在は日本ガマニアで業務開発部課長(Section Manager)。 ——————————————-

あなたに息子があるから

禁煙、飲酒運転防止、クリーンな選挙、児童への関心、DV根絶、男女平等など…広告主が国民機関、チャリティ組織や児童ファウンデーションの場合、扱う商品は少数派に関わるテーマや厄介なテーマになるでしょう。このような簡単に議論を引き起こす社会テーマを扱うことは、広告主にとってチャレンジであり、試練でもあります。へそくりを隠すような慎重さが必要で、仕事に遅刻しても何も無かったような顔で自分のデスクに向かう度胸も必要です。つまり、慎重かつ大胆に問題を扱うことです。 クライアントはニュージーランドのYWCA。調査結果によると、ニュージーランドで「同じ仕事で、女性の平均給料は男性より10%少ない」です。この問題に対して、YWCAは同等の料金を払うことを提唱します。同等と言うのは金額ではなく、同比率の料金を払うことで、平等にとってかわります。YWCAの動画及びオフィシャルサイトでは、このような争いをデモで国会に行って賃上げを要求するのではなく、「女性の料金を10%減らす」(もしくは男性の料金を10%増す)ことです。この解決方案は実に面白いです。政府に賃上げを要求するのではなく、支払い費用を10%減らすよう、新たな「不公平な観点」を作ることで、「現実の不公平な待遇」に挑戦します。   YWCA Auckland – Demand Equal Pay   CMの中で、ある駐車場の看板に「駐車1日10ドル」って書いてありました。男性は車を出そうとして、出口に向かい、当たり前のように、窓口で駐車カードと10ドル札を係員に出しました。係員はイラっとして、「11ドルだ。1ドル足りない。」と言いました。1日だけだから、10ドルのはずだと、男性は主張しますが、係員に「あなたには息子があるから、11ドルだ。」と言われました。男性は驚いて理由を尋ねました。「今は女性が10ドルで、男性が11ドルだ。」と係員が淡々と答えた。「そんなばかげたことを…」と男性のコメントの後で実にうまいキャッチコピーが流れてきました:「同じくばかげていることは、同じ仕事で女性の給料は男性より10%少ない」。つまり、同じ事をするのに、女性の給料がより低いのもばかげたことです。 このCMが伝えたいのは、息子があるだけで、1ドル多く払うことがおかしいですが、それと同じく、息子があるだけで10%多くの給料を貰うこともおかしいです。テーマがまじめで、大胆ではっきりこう告げています:これは差別だらけの社会です。息子があるだけで給料が多くなるなら、息子があるから多く支払わないといけないことを推進します。こうした批判の声と行動で給料の不公平に対抗します。 筆者が一番感心するのは、社会に対抗する手段が、熱くデモをすることや座り込みで抗議するのではなく、「請求書」の不公平で間接的に「給料」の不公平に挑戦することです。さらにこれで社会運動を打ち立てて、国民の支持を集めることです。振り返ってみると、日本でも、お昼の定食のご飯の量が多くて、少食な女性は小盛を頼むのに値段はそのままです。給料が低めで少食なのに、男性と同じく定食セットの700円を負担しなければならないとは…不公平な状況はどこにでもあり、ニュージーランドだけではないようですね。         映像/画像ソース: http://www.youtube.com/watch?v=kxCpCBn3eLU http://demandequalpay.org.nz     ——————————————- 作家紹介 Bruce

テクノロジーが紙に代替しても、替えられないものがある…..

携帯電話が紙に代わる時代がもう来ていることは分かっています。しかし私はテクノロジーが大嫌いなのです。だからiPadやiPhoneは昨年ようやく使い始め、今使い始めてまだ5か月になったばかりです。この5か月間はびくびくしながら暮らしていました!なぜかって。それはこれらのデジタルデバイスを使い過ぎた結果、いつもスクリーンに向かって笑い、素早く字を書いている所を妻に見られたくないからです!!だから妻はある日夜中に泣きながら私を揺り起こして、私が浮気をしているのではないかと聞いてきたのです!!   ああ、ドラえもんのポケットを持つという夢はもうしばらくしたらスマートフォンで叶うかもしれません。スマートフォンは生活をより便利にしました。しかし、新しい面倒も増え、何かを失くしたような気もします。   最近私は学生生活に戻っています。仕事の他に短期間の研修にでています。こんな年になってかなり慌てているのは、iPhoneに頼らなければあの若くてたくましく、記憶力の良いクラスメートたちには絶対勝てないからです!!本は重過ぎ、私は五十肩になってしまいました。だから私は講義の際には教科書を持って学校に行くことはせず、家で先に携帯電話で今日講義で学ぶ部分と試験の内容をを撮影してから、鉛筆とノート、携帯電話をもって講義に出席するのです!講義で分からない単語が出てきたらすぐにインターネットの辞書で調べ、聞いても分からない文法が出てきたらすぐにGoogleで調べます。ホワイトボードの文字を書き写すのが間に合わない時はちょっと恥ずかしい思いをして自分より18歳も若いクラスメートから借りることなく、直接「ハイ!」の一声で余裕たっぷりに携帯電話で撮影するのです(私が台湾で買ったiPhoneは、写真を撮る時に『パシャッ』というシャッター音がしないため、現在日本のクラスメートに大人気です)。   もし、コンディションが悪くて講義に集中できない時は、携帯電話で教師の講義内容を録音し、電車で通勤する時にもう一度学びます。   スマートフォンは学習する上で本当に大きく役に立っており、素早く、また繰り返し学ぶことができます。さらには文章を書くこともこれまでのように一杯のコーヒーとパソコンの前にぼうっと座っているだけではありません。今では通勤電車の中で、トイレで、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の試合を見ながら、眠れない時など、思いついたらすぐに携帯電話を起動させて書き始めます(文章を書きながら笑うので、私が絶対に浮気していると妻が疑うのも無理はありません)。 以前、授業の時に必ず見られた「メモラブレター」は今では見られなくなっています。メモは何人もの間に手渡されるため、誰が誰に渡したか容易に調べがついてしまい、放課後に皆の話題となってしまいます。今日の英語の授業のピンク色のメモは誰が誰に渡したものだ?メモの折り方は?女子は大泣きしていなかったか。……などなど、ある種の楽しみでした。しかし誰もがLINEを使っている今、もうメモは手渡しされません。授業中誰もがLINEを使っており、皆同時に笑ったり、ぼうっとしたりしているので、誰と誰がアヤシイ関係にあるのかなんて、誰にも推測できません。   テクノロジーの利便性は多くの伝統的なグッズにとって代わりました。例えば、教科書は大スクリーンの携帯電話に代わり、メモは写真に代わり、ラブレターはLINEに代わったのです。人と人との間の関係、人と生活経験との間の関係がテクノロジーによって引き寄せられてから便利さは増しましたが、深みが少なくなりました。ラブレターの文字が書き換えられた痕や皆が手渡しに協力した時に作られた折り目はAPPのFlashのハートマークに取って代わられました。ホワイトボードを必死に書き写してだるくなった手は500万ピクセルの携帯電話のカメラのレンズに取って代わられました。私が長期出張をした時の家族への思いはSkypeのリアルタイムVideo通話に取って代わられました。テクノロジーの急速な進歩は良いことですが、時に立ち止まって考えると、ちょっとした寂しさがあります。まるで何かを失ったかのような。   次に紹介するのはトイレットペーパーの広告です。トイレットペーパーが取って代わられることのない原因がはっきりと指摘されています。ちょっと面白いのは、私の暮らしの様子にかなり似ていることです。私と妻が寝る時、彼女の手には小説が、そして私の手にはiPadが……。   Emma – Le Trèfle         —————————————– 作者の紹介

ジャン・レノがドラえもんになるとき

困ったことがあるとすぐにドラえもんに泣きつくのび太、人を小ばかにするお坊ちゃまスネ夫、横暴なジャイアン、日本の北海道から沖縄まで1960年代生まれでも2000年代生まれでも誰でもキャラクターの性格を知っています。そしてこれらのキャラクターがTOYOTAの今年のCMになりました。   トヨタ 実写版 ドラえもん CM 1~4総集編 -ReBORN- TOYOTA:     ***********以下CMドラマの内容************ アニメ: 静香「大人になったらドライブして、バーベキューして!」 のび太「行こう、行こう!!」   CMビデオ: 30歳になったのび太は静香を連れてあちこち走り回っていた。 電車に乗って、バスに乗り換えて小さな川の河原でバーベキュー~~~ 「のび太さん、私、バイオリンのレッスンあるんだ」静香が口をとがらせて言う。 「ええっ!?」のび太の大きなメガネが静香の方を向く。「送っていこうか?」格好をつけたスネ夫が突然現れて、手にした鍵を揺らす。 静香はスネ夫のジープに乗った。スネ夫は生意気そうにのび太に向って言う。「あれ、なんでのび太は車で来なかったんだっけ?」そうして静香と河原から悠々と去っていった。   「「くやしい><。やっぱり車か。」 家に帰り、のび太は子どものころのように自分の部屋で泣いていた。するとその時、机の引き出しが開き、いつものようにのび太の救い主が現れた! ドラえもん「のび太くん、久しぶり」 のび太「ドラえもん!!!!」嬉しそうなのび太。 のび太「ドラえもん、車出して!」 ドラえもん「ダメ!」 のび太「どうして?」

テクノロジーとともに進化するCM制作、その未来は?

役者がアイスティーを飲む表情、これをどう演じるか?ピシっとしたスーツを着てStarbucksの飲み物を握る広告主の代表が、すました態度で偉そうに「紅茶のボトルをもう少しカメラに向けて、商品をもっとはっきりと映して。私たちの商品はとても美味しいんだから、役者さんはもっと美味しそうに飲んでください。」と言い、そばにはハイヒールを履き、サングラスをかけ、スカーフを巻いたクリエイティブアドバイザーが「たっぷり飲んでその後に、あ~~~と一声挙げるような爽快感を表現して、それからサムズアップ!これで商品の美味しさを表現できるわ!」ディレクターチェアに座り、黒ぶち眼鏡とクマのある監督が、両手を組んでモニターを見ながら助監督に「役者に伝えて、次のシーンで飲み干した瞬間に瞼を閉じて一度ぐっと力を入れた後、両ほほを少し膨らませて、飲み口は口に入れたままで外さないで、こういう風に2秒停止してから飲み物を口に入れるリアル感を保つ。これで見た人の食欲をそそることができる…」。 広告主、広告代理店、撮影監督、この三人のキャラクターは、自身の専門と消費者(見る側)に対する経験に基づき、コマーシャル内の役者にどのように表現するか、異なる考えを提示します。これは十数年来コマーシャルを撮影してきた中で、目の前で何度も繰り返された場面です。三人のキャラクターは幾度も綱引きを繰り返し、通常最後には広告主の意見に従わなければならないものの、心の底では負けたくないと思っています。     広告の未来のトレンド:個人の広告 このような行為のシステムは、学理上「Customized」と呼ばれ、売り手が消費者のために作るカスタマイズ広告です。カスタマイズは、今後恐らく「Personalize」に進化しなければならず、広告の制作は、必ず広告主の消費者に対する予測から進化し、消費者の需要を完全に理解した後、各消費者の「個人の広告」が生まれ、もう「この層の消費者に向けた」という広告は生まれません。 言いかえれば、現在広告宣伝の従来のやり方は、テレビCMを撮影してテレビで一カ月放送する。或いはFlash banner広告を作ってヤフーの娯楽ニュースのトップページに三週間掲載するといったように、私たちが思う消費者グループに対して見せています。今後進化する方向はきっと、コード004394に基づいて消費者が各ウェブサイト、インターネット、アプリ上に残した文字或いは各ビジュアルデータを、パソコンを通じて解読した後、どのメディアでコード004394に属する消費者の広告を流すか決定します。コード004394の消費者とコード009395の消費者が同じ時間にCTVニュースを開いても、目にする広告は別のもの。これもまた完全なる「Personalize」です。 この様な「Personalize」の時代、メディア費と広告制作費は爆発的に増えるのか?それとも有効に運用されるのか?これはまだ観察する必要がありますが、少なくとも期待できるのは、恐らく広告主により精確なビジネスチャンスをもたらし、より「各消費者」に合った広告情報が提供可能であり、最終的に商品の販売確率が効果的に増えるということです。     キーワード技術で消費者のinsightに深く入り込む Web 3.0時代の到来で、広告の「Personalize」を生み出すチャンスが生まれます。広告はもうシンプルにキーワードの売買から広告を流す選択を決めるのではなく、「キーワード」技術は文章全体の分析に進化し、より細かく消費者と情報の「insight」を理解することができます。バスケットが好きでも、必ずしもすべての視聴者もバスケットの試合中継中にペプシコーラの広告を見せるわけではなく、必ずKobe Bryantが登場しなければなりません。パソコンテクノロジーとWeb 3.0の情報テクノロジーを合わせれば、きっとChris Paulが好きな人に、ペプシコーラの広告を見た時にChris Paulを出演させられるチャンスがあるはずです!Micheal Jordanが好きな人には、ペプシコーラの広告を見た時にMicheal Jordanが登場するように!広告はより音を立てずにするりと消費者のそばに現れることができます。   ▲「Personalize」の広告時代、全ての人がどれも違ったアイアンマンを目にするかもしれない?   Facebookの掲示板の右側にどんなサイド広告を載せるかもまた、ただ「いいね」の数と話題にした人数だけでなく、バックの流通量、情報量、頻度とフリークエンシー等のデータにより分析します。Web 3.0は各タイプの文字(チャット文字、顔文字等)からまとめたデータをもとに「消費者の感覚」を分析することができ、Web