高度情報化の新たなモバイル時代において、人々は情報の利便性を追求するだけでなく、そのニーズはますます高まっています。例えばスマートフォンを利用してどこでもアプリをダウンロードしたり、面白い出来事を撮影してはFacebookで友達と共有し合ったりしています。どんなデバイス(device)でハイテクのもたらす便利さや情報の恩恵にあずかるにしろ、それはすべてUIを通して実現することなのです。
UI(User Interface)とは?
UIは我々の生活にあふれています。人と物、人と人のやり取りをつなぐものであればそれはUIです。イラストやマーク、音声やジェスチャーなどが含まれます。例えば運転中に赤信号だと止まります。バスでカードを使うとカード機が音声で反応して、感知の状態や残高の有無を知らせてくれます。
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▲UIは我々の生活にあふれている!
UIデザインの重要性とは?
普段の生活で目にする日用品の多くに優れた直感式のUIデザインが採用されています。使い方を覚えなくても自然に使えるようにできています。例えばハサミの持つ部分は大小二つの輪になっています。それで小さい方には指を一本、大きい方には残りの指を入れるということがわかって、ハサミをうまく使えるようにしています。
ハイテクの進歩によって5年後、10年後には情報がどれほど複雑になるか想像もつきません。情報を得るのにデバイスは必要なくなるかもしれません。例えば指で窓に触れるだけで現在の気温と降水確率が窓に表示されるとか。生活に密着した情報は今後ますます増えていくでしょう。あらゆることが生活に結びつき、ユーザーはハサミと同じようにUIを楽に使いこなせる未来がやってくるはずです。UIとは有用性(Usability)と相互性(Interaction)でもあり、情報をすばやく手に入れ理解するための重要なカギを握ります。
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▲東京に次いで世界2位の使用率を誇るモスクワの地下鉄システム。上は改善前の路線図。地上の路線まで複雑に入り組んで、見ていると目が回りそう!
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ロシアのデザイン会社Art. Lebedev Studioによる新しいデザインの「モスクワ地下鉄路線図」
1. 路線はすべて直線デザインに。
2. 環状線とカーブは滑らかにしてソフトなビジュアルに。
3. 不規則な環状線は円形にしてよりシンプルに。
4. 図には区別しやすいように罫線を入れ、縦と横のマスにはそれぞれ番号を振って駅の位置の把握が便利に。
改善後の地下鉄路線図はずいぶん人に優しくなっていませんか?
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▲信号には残り秒数の表示のほか、音声機能も追加され、視覚障害者の歩行も便利に。
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▲ICカードの感知機。感知の状態や残高の有無を音声で!
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景観の美化のため、バス停のポールを減らして路線図の見づらさを改善。台北市公共運輸処と聯営バス管理委員会が共同で新しいバス標識をデザイン。
従来のバス標識
バス路線図には線や文字がびっしり書き込まれている上、高い位置にあって視力の弱い人や身長の低い子供には見えにくいものでした。また1枚の標識には最大3つのバス路線しかなく、バス停に多くの路線のバスが止まる場合は上図のように従来の標識ではあちこちに分かれて不便な上、道路の空間を狭くするものでした。
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集中バス標識
1. 標識に表示する路線数を増加。路線を調べるのにあちこち見て回る手間が省ける_
2. 路線図を低くして見づらさを解消。ユーザーフレンドリーなデザインに。
3. Aステンレス製で見た目にも美しいパネルデザイン。ビラ貼りの心配もなくすっきりしたバス停に!
目が回りそうな文字だらけのグラフも、クリエイティブなデザインでより人に優しくテーマに沿ったものになっていませんか?
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UIは生活に密着
デザインのまずさが情報の伝達ミスや不便につながるとしたら、生活や仕事のつながりを失ってしまいかねません。道に迷うことで大事なお客様を失うこともあるでしょう。さらには重大な事故につながることも!デザインの不良によるこうした問題は私たちの身の回りにあふれています。優れたUIデザインは重要でしょうか?答えはとても重要です!
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筆者について
ガマニアエルゴノミックデザインセンター
ユーザーを中心とした設計UCD(User-Centered Design)をグループのプロジェクトの実行や改善に応用し、ガマニアの自社製品でユーザーが最高に満足していただけるよう取り組んでいる。
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