もしATMでお金を引き出そうとして、出てきたのがお金ではなくディズニーランド行きの航空券だったら、それとも『5万円引き出そうとして10万円もらえた』!そんな時あなたはどんな反応をするでしょう?
カナダの信託銀行TD Trustが、お客様にサプライズを提供するため、《TD Thanks You》イベントを行いました。『TD Trustはあなたを理解する銀行』というメッセージを伝えるため、いくつかの地域でこっそりATMを、見た目は普通の物と同じ自動感謝マシーン (Automated Thanking Machine) に改造しました。銀行に入り、カードを入れ、マシーンを操作しようとした時にやっと、『このマシーンは自分をよく理解している』ことに気づきます。
▲見た目は普通のATMとほぼ同じ。ただ普通よりも人をよく理解した自動感謝マシーン。
このマシーンは『こんにちは!』とあいさつするだけでなく、コミュニケーションもできます。あなたの名前を正確に呼び、嬉しい事や悲しい事、最近あなたに起きた出来事まで知っていて、 自分に相応しいプレゼントを受け取ることができるのです。ある人は特別にお金がもらえ、ある人は『ATMからは出せない』プレゼントがもらえます。それは花束かもしれませんし、ある都市へ、家族や友人に会う為の航空券、はたまた球技のユニフォームセットかもしれません…。もし自分がそのラッキーな人物だったなら、きっと嬉しくて笑顔を抑えきれないでしょう!
お客様は神様。それは口だけではありません
あなたも私のように、なぜこのマシーンが客の名前を知っていて、さらにその好み、最近起きた出来事まで知っているのかと不思議に思いませんか?
その真相はこういうことです。TD Trustはまず支店の職員をたずね、彼らがこの特別なサプライズを受け取るに値すると思う客を選びます。そして、これらの客に『新ATMサービスのテストへの参加に招待します』と伝えますが、特別なプレゼントがある事は伝えません。
特別に選ぶのですから、銀行も必ずストーリー性のある人を選びます。そしてこれらのストーリーは、すべて客と銀行員が日常のやり取りの中で得た情報です。そのため、銀行は何が起きたのか知っていて、どんなものをプレゼントするか、もちろん彼らが誰かも知っているのです。
▲お金を贈るようなありきたりな方法だけでなく、心を込めて招待カードを用意し、子供と一緒のディズニーランド旅行へ招待。
その内の一人、野球好きで、トロント・ブルージェイズのあるファンは、ブルージェイズのユニフォーム、キャップをもらっただけでなく、さらなるスペシャルサプライズとして、かつてのメジャーリーグのホームラン王であり、現在ブルージェイズの右外野手であるJose Bautista自らがこの幸運な当選者を招待し、『お金があっても必ずしも実現できるわけではない』次のゲームの始球式のゲストになりました。
最も感動的なのがあるお母さんで、彼女の一人娘はよその土地でガン治療の手術を受けたばかりで、TD Trustは娘さんに会いに行けるように、往復の航空券をプレゼントしました。
さらに、選択リストに無い、マシーンを使用しない客たちも、TD Trustは損をさせません。7/25当日の午後2:00、どんな方法でも、カウンターまたは、ネットバンクの利用者全員が特別に20米ドルの予想外の小切手を手にしました。
予期せぬサプライズを創造し、あなたのイベントにポイントをプラス
こういった予想外のサプライズイベントは、往々にして好感を得ることができます。瞬間的に喜びの指数を高め、何度やっても結果はほぼ同じです。人々が意識しているのは『このプレゼントはいくらの価値があり、実用的かどうか』ということではなく、『予想外のサプライズを感じるかどうか』ということかもしれません。
考えてみてください。状況1、今日デパートに行くと全て半額であることを知っている。そして状況2、洋服を選び、会計の時に店員が突然『おめでとうございます、お客様は1万人目のお客様で、今日のご購入はすべて半額です』と言う。結果は同じですが、どの状況に喜びを感じますか?どの状況を家族や友達とシェアしたいと思いますか?
この要点を把握して、次回イベントを企画しなければならない時に『どうしたら消費者の予期せぬサプライズを生み出せるか』を考えてみましょう。特別なプレゼントはいりませんし、マーケティングの予算を上げる必要もありません。消費者の心をハッピーにするたった一つの変化で、必ずやイベントは効果を発揮し、何倍にもなるでしょう!
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