マーケティングを行う者は、消費者の購買意思決定を気にするため、消費者の生活形態、個性、環境などの要素から推測して、テレビ広告を素早く打つか、Facebookを使った話題性で包囲していくか、それとも有名人のマスコットキャラクターを使うかを評価します。
そして商品を作る者は、消費者が誰であるか、出来た商品を誰に使わせるのか、どう使わせるのかを気にします。
Target(ターゲット消費者グループ)とは、私たちが意思疎通を行う人であり、私たちのゲームをプレイする人です。今日は私たちのTargetをどのように定義するかを考えたいと思います。
私はよく開発グループに「私たちのTargetは誰か?」と聞きます。そして私がよくもらう答えは「16歳から28歳、オンラインゲームが好きで、毎日平均X時間オンラインゲームに費やしている人」というものです。この答えの構造はとても明確です。その内容は誰がプレイヤーであるかを明確に定めており、基本的な定義をしています。あるグループを丸で囲って私たちのプレイヤーであるとしていますが、基本的定義なので、私は私たちのライバルと重複していると考え、この基本的定義の後、一歩進んだ推論を行って「丸で囲まれた」Targetを「表現」する必要があります。
「表現」とは、私たちのTargetの特徴を説明することです。特徴とは、私たちのTargetの嗜好、個性、習慣などの一切の事実です。表現したTargetの特徴は全体のマーケティング活動の鍵の一つとなります。Targetの特徴は私たちの宣伝手段の元となり、広告やキャンペーンのアイデアの源となり、更にはメディア予算配分の理由になります。
また、Targetの特徴は映画、Promotion Video、広告などのビデオ制作にとっても非常に重要です。Targetの特徴の大きな面における影響としては、左右のビデオ全てのスタイル、小さな面における影響としては、効果音や字幕のIn / Outのタイミング、更にはもっと細かい部分にも渡ります。私がビデオを制作する時は、私の役割が監督であれ、クリエイターであれ、オリジナリティー担当であれ、或いは映像編集であれ、私は必ず「プレイヤー(Target)は誰か」と聞きます。
Targetの特徴を表現する時は、Targetをより細分化します。しかし、その範囲を小さすぎるまでに狭めてはいけません。消費者の定義の範囲が狭すぎると、それは宣伝効果の拡散の難易度へと変わってしまいます。
以前、Olympusの台湾代理店のために広告を1本制作したことがあります。その広告はブランドイメージ広告で、テレビで放送され、また各展示場でも放映されるものでした。Olympusの各種のカメラにはそれぞれTargetがいます。しかし、このイメージ広告のTargetは高級カメラのユーザーです。年齢層は高め(カメラがかなり高価なため、大抵高級カメラのユーザーの年齢は高いものです)でした。私たちがお客様とTargetの特徴について一歩進んだ質問をした時、お客様はこう言いました。
「私たちの台湾市場のユーザーは、自分を見せびらかすようなことは好きではありません。見せびらかすような商品を持つことは受け入れがたいのです。」
「自分を見せびらかすようなことが好きではない」というTargetの特徴は、監督とオリジナリティー担当者にとても深みがあり、沈着冷静な様子のビデオを制作させました。当時のSony、Canonなどの大メーカーのビデオとは大きく違うものでした。Olympusはその時、その他の大メーカーの宣伝における影像スタイルとは明確な線引きを行ったのです。展示会においても、或いは広告宣伝においても、Olympusは自らの明確なキャラクターを確立したのです。
自分のプレイヤーのために、より明確なTargetの特徴を掴んだら、ゲームの商品デザインとマーケティングにおける意志疎通に絶対に有利となります。
2本のビデオをご覧ください。Olympusとベルリン市のフィットネスセンターの宣伝プレゼンテーションです。これがどのような方法で、どのような場所で「潜在的消費者」に対して宣伝を行い、自らの話題性と記憶性を達成しているかに皆さん注意してください。
Olympus宣伝プレゼンテーション
ベルリン市フィットネスセンター宣伝プレゼンテーション
作者介紹
Bruce
国内外のテレビ広告制作、映画配給とシアターマーケティング、日本電通北京支社のオリジナリティーコンペティションチーム、ガマニア社内監督を務め、現在はガマニア日本商品開発部 課長(section manager)。