ブランドイメージは企業、トレンド文化、影響力のある人物、顧客が記したエピソードによって織りなされるものです。かつてのデジタル娯楽産業のブランドストーリーにおいて最もよく見られたのは創業、研究開発チーム、イメージキャラクターのストーリーでしたが、近年、リーディングブランドは次々とコンテンツ戦略を変更し、ストーリーの主役をユーザーに戻し、感動的なユーザー体験によって温もりのあるブランドイメージを築き、消費者の共感を高めています。
Google の感動的なストーリー力
「あなたの涙を誘うことができなければ、それは私たちの失敗です!」この言葉を発したのはGoogle グローバルマーケティング担当副社長のLorraine Twohill氏です。感動的なエピソードを利用してブランドマーケティングを行うことは、冷たいテクノロジー製品にとってかつてはとても変わったことでした。しかし、Googleは一本一本の人の心を揺さぶるコマーシャルで、ブランドに人間らしさと温もりを吹き込むことに成功しました!例えば、毎年製作される「Zeitgeist 2013」(1年のまとめ)で、Googleは兆を超える検索記録の中から、その年に最も注目された人物や物事をまとめ、動画を通じてユーザーと共にその興奮、痛み、サプライズ、勇気ある瞬間を振り返り、社会への関心というブランドの価値を体現し、またGoogleはユーザーの為に必要な情報を見つけるという使命を果たしたことを証明しました。
Zeitgeist 2013
エピソードを語ることで感情の結びつきを創造できると理解したGoogleは、近年ユーザーにエピソードを語ることを宣伝し始めました。それは、消費者にエピソードを語ることとGoogleのブランドを共に連想してもらうためです。今年のオスカーの式典で、Googleは「We’re All Storytellers」という名のコマーシャルを発表しました。トイストーリーのプロデューサーAndrew Stanton氏による「私たちは物語を聞くことが好きで、物語のために生きる」という書き出しをもとに、観衆にストーリーが発生した瞬間を記録することを呼びかけました。この他、Googleは製品面でもストーリーを語るブランドの連想を強化し、旅の写真をGoogle+の情報自動整理で一冊のストーリーブックにできるプログラムGoogle+ Storiesから、ユーザーがGoogle Mapに旅のエピソードを追加できる新機能Tour Builderまで、すべてGoogleの、ユーザーのストーリーの記録をサポートし、そのストーリーの一部になりたいという願いを表しています。
We’re All Storytellers
Google+ Stories
Sony:製品こそ終わりなきストーリー
設立から70年近いSonyは、ストーリーを語る方法でブランドの歴史、経験の伝承、人を感動させることの強調を得意としています。最新の企業イメージコマーシャルJoin Togetherでは、Sonyが製品の研究開発において常に守り続けているアーティストとエンジニアが互いに協力することで初めてSonyの製品は広く愛されるという信念を伝えています。また別のSony Experiaのコマーシャルでは、顧客の忠誠度を呼び起こすため、消費者が長年にわたりSonyの製品とともに歩んできた素晴らしい時間を強調し、Sonyのテレビでロケットが空へ飛ぶ様子を見たこと、友達と一緒にPSで遊んだこと、カメラでベルリンの壁が崩壊した瞬間を撮影したこと、Sonyはストーリーを語る方法で観衆を古今へといざない、Sonyの製品はこれらの感動的な時間を継続させることを告げ、新たなブランドのキャッチフレーズである Be Movedとしっかり結びつけています。
Sony Join Together
Sony Xperia™ Z TV Ad
人物を起用してストーリーを語る他、Sonyの数々の製品もまたブランドストーリーの主役です。ブランドのイメージウェブサイトSony.com/BEMOVEDでは、製品開発のストーリーから研究開発の信念へいざない、さらに東京にあるSony歴史資料館、また新時代を切り開いた製品のストーリー、例えば日本初のラジオ、携帯プレイヤーの名品であるウォークマン、初のカラーテレビ等、Sony長い歴史から、絶えずイノベーションするブランド連想を打ち立てようとしています。
近年、消費者志向のブランド戦略が台頭し、デジタル娯楽ブランドは続々と消費者のストーリーによってブランドイメージを築く方向へとシフトチェンジしています。かつての機能性を強調していたブランド連想とは異なり、ストーリーを語る方法でブランドの感性価値を創造し、消費者の共感を巻き起こそうとしています。従来のコマーシャル、キャッチコピーでストーリーを語る方法を使用するだけでなく、デジタル娯楽ブランドもまた製品そのものでストーリーを語り、商品に感性的含みを付加しようと試みているのです。
参考資料:
http://goo.gl/9LjnbB
http://goo.gl/dczPo2
イメージソース:
http://goo.gl/4k3s0h