ビッグデータ(Big Data)によって火がついたデータ革命が今巻き起こっています。大量なデータの中から価値のある情報を掘り出し、よりスマートで利用者のニーズに沿った商品を研究開発することによって、これまで解決できなかった難題を解決していくのです。そしてウェアラブル・テクノロジーの出現が、今後ビッグデータ革命において重要な意味を持つことになるでしょう。24時間365日大量なユーザーの利用データを収集、整理、分析することによって、商品はスピーディーかつスムースにユーザーとコミュニケーションを取り、さらにはまだ誰も知らないようなことを見つけ出して企業に提供し、ライバルの一歩先を行く手助けをすることができるのです!
そのためハイテク大手のApple、Samsung、Googleが競って腕時計や眼鏡型のスマートデバイスを発表しているのですが、彼らが狙っているのはまさにウェアラブル・テクノロジーとビッグデータを結び付けた巨大なビジネスチャンスです。たとえばアメリカの医療保険業界だけ見ても、今後10年間で3000億米ドルものビジネスチャンスが期待できるのです!ウェアラブル・テクノロジーとビッグデータは私たちの生活をいったいどのように変えるのでしょうか?そしてそれらのビジネスチャンスはどこに眠っているのでしょうか?『G!VOICE』があなたの疑問にお答えします!
ウェアラブルデバイスは体の一部
なぜウェアラブルデバイスを身に付ける必要があるのでしょうか?多くのニーズはすでにスマートフォンによってすべて解決されたはずではありませんか?もしかしたらあなたはこんな疑問を抱いているかもしれません。確かにモバイルデバイスは生活と密接なつながりをもっており、ほとんどいつでもどこでも持ち歩いています。しかしノートパソコンや初期の携帯電話などは明らかに体から離れた存在で、いちいち入力して指令を出し操作しなければなりません。一方、「ウェアラブルデバイス」はその名の通り、より直接的に体に触れることのできる腕時計、メガネ、衣服、ひいては体内に埋め込むマイクロチップといった形態をとっており、体の一部さながらになっているのです。
このような前提の下、私たちはウェアラブルデバイスに次のような特徴を認めることができます。つまりキー入力が不要(声や動作によっていつでも操作できる)、拡張現実(Google Glassesのようにデータやマルチメディアを現実の事物に重ね合わせる)、生体センサー(体の状況や位置などの情報に反応する)といった機能があるのです。
▲NEW DEAL DESIGNが提案した新商品「UnderSkin 」は皮膚の下に埋め込むセンサー。電子決済やセーフティーロック、健康管理などができる。
携帯電話よりも身近なデバイス
ウェアラブル・テクノロジーによって、情報は今やスクリーンの上だけでなく生活の隅々にまで広がっています。たとえばウェアラブルグラスは仮想と現実を一つにして、目に見える範囲全てをデータ化します。街の中でネット友達を見つけたり、書店でほしい書籍を簡単に探し出したり、あるいは現実の物事のデータを即時に表示したりすることなどができるのです。また今ものすごい勢いで発展している腕時計やブレスレットは、心拍や走る速度、体感温度といった細かな身体情報を常に監視・制御することもでき、医療や健康維持に大いに役立ちます。
▲ウェアラブルデバイスでよりトータルに自分の身体を認識し管理することができる。
資誠企業管理顧問公司 (pwc)の統計によると、アメリカではすでに成人のおよそ20%がウェアラブルデバイスを所有しており、しかも今後ますます普及が進んでいくと見られています。将来ゲーム業界における仮想と現実の融合は世の中の隅々にまで行き渡り、メディア業界のチャンネルはいっそう多元化して範囲を広げ、小売業界には新たなルートやビジネスチャンスが出現するなど、産業界には再び大きな変化が訪れます。そして様々な時刻の、様々なデバイス、様々な機能による24時間365日の記録によって、ビッグデータ(Big Data)のアンテナはあらゆる方面に伸び、休みなく消費者データを集めるとともに近距離で行動を分析し、生活の中に応用されていくことでしょう。
たとえば普段の買い物を例にとると、街を歩いている時、システムは日頃集めた買い物データの中からおそらくあなたが買いたくなるであろう品物や割引サービスの情報を紹介し、同時にソーシャルネットワークに接続してみんなの評価を見せることができます。すると消費者はスピーディーに買い物の判断を下すことができるというわけです。またプッシュ通知によって友達を誘い一緒に買い物をすることもできるので、ニーズの創出や購買意欲の増進にも効果があるのです。ウェアラブル・テクノロジーは、ショッピングサイトに続く次世代の優れたマーケティングツールになることでしょう!また健康管理の面では、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration、略称FDA)がすでに人体に取り込むことのできるセンサーを承認しています。錠剤という形で服用すると、心拍の速さやペース、身体位置や活動に関する情報が全てスマートフォンに送信され、後の治療の調整や観察に役立つのです。
ウェアラブル・テクノロジーの実用性は?
あなたの身体状況を感知し、自宅とリンクしてエアコンを調節、さらにあなた好みのコーヒーを1杯入れて…ウェアラブルデバイスはついにモノのインターネットといっそう緊密に結びつき、提供するサービスはますます便利になろうとしています。では、将来スマートフォンもまたウェアラブルデバイスに取って代わられてしまうのでしょうか?科学者たちの見解は様々ですが、少なくとも現在のウェアラブルデバイスの立ち位置は、スマートフォンの機能の補助的役割にとどまっています。今年はアップルを除く大手ハイテクメーカー各社が数多くの新しいウェアラブル製品を発表しましたが、市場における効果はまだ現れていないようで、アメリカのウェアラブルデバイスを購入した消費者からも、買ったもののあまり使っていないという声が聞かれています。いかに実用性を高めて人々の生活に入り込んでいくかが、目下ウェアラブル・テクノロジーが直面する最も重要な課題であり、もしも使用率の向上が見られないようであれば、ウェアラブル・テクノロジーとビッグデータの融合における将来の発展も、おそらく単なる空論に終わってしまうことでしょう。
参考資料:
http://goo.gl/Rbeb7k
http://goo.gl/uPHnvF
http://goo.gl/pVIx5S
http://goo.gl/iGGkLD
http://goo.gl/p15JuD
画像出典:
http://goo.gl/iuoIGF
http://goo.gl/UGSZmv
http://goo.gl/rNklAs