単機能アプリは多機能アプリよりもいいのでしょうか?この問題に関しては2008年にApp Storeがサービスを開始して以来ずっと双方の論争が続いていましたが、近年における利用者の好みや利用行為などに対してデータ分析がなされた結果、この論争にもようやく共通の認識を得ることができました。近い将来Facebookのメッセージ機能が独立してFacebook Messenger アプリとなることや、GoogleがそのGmail、検索、地図などの機能に関して単独のアプリを作成するといったことからしても、マーケットにおけるアプリ機能の趨勢は、単機能アプリの圧倒的勝利であることがうかがえます!
▲Googleは様々な商品や機能に対し、計74のアプリを作成
単機能アプリは如何にして多機能アプリに取って代わったか?
アプリケーションソフトウェアという商品が開発されて以来、私たちはずっとネット上の全てのコンテンツと機能を如何にして小さなアプリの中に詰め込むかということを考えてきました。しかしその結果アプリがスマホのメモリを占領し、電気を消耗しやすいアプリがスマホの動作を大幅に遅らせる事態を引き起こし、利用者はそれぞれのニーズに合った軽量のアプリを求めるようになりました。単機能アプリのメモリを喰わない特性が利用者の心を掴んだのです。また、スマホを使用する時間は途切れ途切れであるため、利用者はネットの閲覧にあまり時間をかけたくないと思っています。そこで、ほしい情報が短時間ですぐに見つかる単機能アプリが多くの人に選ばれるようになったというわけです。たとえば天気を調べたいとき、利用者は山ほどの選択項目の中から時間をかけて天気予報を探し出すことは好みません。ボタンを一つタップしただけでその情報が目の前に現れることを望むのです。そう、彼らが欲しているのは、ドアを開けたらそこがもう目的地という、どこでもドアのような機能なのです。
Line成功の秘密:一つの目的を軸に機能を拡大する
実際、もしもメーカーが皆そろって同じ単機能アプリをつくったとしたら、製品はどれも似通ったものとなり、利用者はどのアプリを選んだらいいのかわからなくなってしまいます。しかしその一つの機能の拡大化だけに専念しさえすれば、そのアプリにレッドオーシャンの中から新たな道を切り開かせることができるのです!FacebookとGoogleがファイルの圧縮や解凍に一生懸命になって多機能アプリをつくり出していた時、Lineはそれとは逆の方向へ進み、利用者の滞留時間と定着度を増やすために無料電話、タイムライン、アルバム、グループボードなどの拡張機能を提供していきました。では、このような機能の複雑化はどうしてLineに害を及ぼさないのでしょうか? それは、Lineがインスタントメッセージアプリというただ一つの目的を軸に機能を拡張しているからです。ゲーム、カメラ、アンチウイルスソフト、そしてプライベート・グループ・チャットに至るまで、あらゆる機能の開発にあたりLineは常に新アプリ作成の方法をとって、利用者の混乱を回避しているのです。Lineの成功例からわかるように、アプリに新機能を付け加える際には、その新機能は本当に商品に付加価値を与えるのかどうかをしっかりと考える必要があります。そうしてこそ利用者を引き止め、商品の定着度を高めることができるのです!
▲Lineはそれぞれの機能に対して独立したアプリを作成し、Lineの中でリンクさせて利用者がスピーディーに他のアプリにアクセスできるようになっている。
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