よく人から聞かれるのが「UX Designとは何ですか。」ということです。
この問いに答える前にちょっと説明する必要があります。User Experienceとは、ソフト・ハードウェア、ビジュアルアート、インタラクティブセンサー、行動認知、社交心理、カスタマーサービス等々(まだまだあります)多くの異なる領域に関係する学問なのです。人に関係する活動、デザイン、ビジネス行動、教育、サービスでありさえすればいわゆる「User Experienceユーザー体験」から離れることはできないのです。
ですから私たちはUX Design(ユーザーエクスペリエンスデザイン)はもはや単純な一つの専門分野と定義することはできません。これは提供する当該製品またはサービスに関係する人々(エンジニア、美術スタッフ、企画者、研究者、カスタマーサービス、広報担当者、イベントマーケティングスタッフ、等々)がそれぞれの専門分野で「ユーザーを中心」にした態度で行うそれぞれの仕事の一部なのです。
こう尋ねる人もいるはずです。では、何が「ユーザーを中心とする」ということなのでしょうか。
一番簡単な言い方をすれば、それは「ユーザーの角度から考える」ということになります。
それはどういうことでしょうか。
デザイナーやサービスの提供者として、自分のロジックや便利さで構想したり製品やサービスを提供することは避けられません。私はこれを「自分勝手」なデザインと形容しています。「ユーザーの角度から考える」デザインではないのです。例えばプログラミング作業は、プログラミングのロジックが合理的でわかりやすい使用のフローを犠牲にしてしまっています。または既定のフローの分業(SOP)を順守し、コストを抑えるためにカスタマーサービスはよりヒューマニスティックでオーダーメードしてユーザーの問題を迅速に解決することができなくなっています。
ですから、多くの専門性を持つチームの中では誰もがユーザーエクスペリエンスデザイン(UX Design)の能力をもっていなければ、製品やサービス全体の細部でユーザーの満足度を最大限まで高めることはできません。
ユーザーエクスペリエンスがたいへん多くの異なる分野に展開できるのならば、私たちはどのようにして自らのユーザーエクスペリエンスデザインにおけるKnowHowを育成することができるでしょうか。以下は私が参考に提供するいくつかの方法です。
1. すべては観察から(観察->振り返り->学習)
観察?何を観察するのか?
初めに、他人を観察します。
人があることをどのようにしているかを観察してから(どんなものを使っているか、関係する人や物事、環境とのやり取り)、人の反応がどのようなものかを観察します(喜怒哀楽や困惑、驚き、失望、期待など…)。
生活は大きな実験室です。他人の行動と反応を観察することによって、私たちはあることについて人々がどのようにするか(How they do it)をいうことを理解することができます。どのような環境の下でどのような特別な時間(Where and when)に、どのような人/物と交流する(Who and what they interact with)か、どのような特別な感じがするのか(How they feel)、そして再び観察して自らに質問するのです。
私と他人との経験と反応は同じだろうか。何が同じだろうか。
私と他人の経験と反応は違うだろうか。何か違うだろうか。
この世では誰もが唯一無二の個体です。私たちは成長した背景と生活経験の違いによって物事に対して他人とは異なる主観や見解を持ちます。また私たちは文化とコミュニティの影響を受けて物事とある部分について多くの人々と相似すると客観的に認めています。
他人を「観察」し、自分の歩みを「振り返る」ことによって、私たちは個人の行動における認知をより深く理解し、また修正して自分の持っていたステレオタイプな印象を取り除くのです。
2. 自分の力で成し遂げるという経験と実験
「これで間違いないと思う!」「これは十中八九こうだ!」「ユーザーはだいたいこう思っているはずだ!」「だいたい十中八九そうだろう。」これらを私たちは「憶測」または「仮説」(Assumptions)と呼びます。これらは正確な結論を表しません。
「憶測」や「仮説」は実証が必要です。私たちは体で実際に行い、実戦と経験の過程に自ら参与することができます。または実験(Experiment)をデザインして、当初のアイデアやデザインについて検証(Verification)することもできます。例えば、長距離バスのイスをどうやってデザインしたらよいかを知りたいときは、仕事に参与している人が実際に長距離バスの旅を経験するのです。自らの体験の中からニーズを理解することも真にその場に身を置くことになるのです。
製品をクリエイトする過程で、私たちは実際に経験(Experiment)して理解してから検証(Verification)し、仮説(Assumptions)を確認するとともにそこから学んで絶えず修正を続けるのです。
仮定
学習
検証
3. 収集、消化とシェア
私たちが自分の専門と関係するか、または関連しない学問をすこし理解しようとすると、私たちは自分の旅行や仕事、生活体験または他人の旅行や仕事、生活の記録からより幅広い知識を得ます。これら私たちが自分の頭の中に集めたものは知らず知らずのうちに私たち自身がもともと持っていた認知と融合して増えていきます。そしてシェアすることによってのみ自分が集めた知識を再び消化させてより成熟させることができるのです。なぜでしょうか。例を挙げると、一般的には講演やレポートをしたことがある人ならはっきりとわかるでしょうが、事前の準備(集めた経験と知識)が十分であればあるほど、成果(消化)されたレポートまたは演説は素晴らしいものになるのです。その利益を受けるのは聴衆だけではなく、シェアする者にとっては毎回のシェアが再びの学習なのです。ですからプロフェッショナルな職業人としてはこの収集して消化し、シェアするという過程でより素晴らしい知識と見識を磨くことができるのです。
以上の3点は専門分野を育成するのではなく、異なる専門分野でユーザーエクスペリエンスデザインにかかわる時、どのように自らを「ユーザーを中心」とした仕事週刊と態度を養うかというものです。工業の時代、人々が必要なものは「より速く走る馬」でした。そこで自動車が誕生しました。コンピュータテクノロジーの時代、私たちは演算能力のより強いCPUを追い求め、人類を月に送りました。そして現在と未来において私たちは生活の様々な物事に対して満足度を追求しています。もう量と機能が勝負ではなく、質と精緻さの向上が勝負なのです。「ユーザーエクスペリエンス」はこの質感を追求する時代にたいへん重視されていることであり、また、製品やサービスが成功するかどうかの重要なカギでもあるのです。
イメージソース:http://labs.openviewpartners.com/user-experience-design-qa-with-ux-booth-founder-andrew-maier/
http://izifunny.com/2011/11/09/izifunny-picdump-102-pics.html
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作者紹介
人因設計中心 / Michelle Lin
エルゴノミックデザインセンター / Michelle Lin
以使用者為中心UCD (User-Centered Design) 設計方法,運用在各個專案上的執行或改良,致力於推動產品最佳的使用者體驗。
ユーザーを中心としたUCD (User-Centered Design) デザイン法を各プロジェクトの執行または改良に運用し、製品の最適化を推進するユーザーエクスペリエンスに力を入れている。
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