1920年、パリのカフェに一人で1日中座っていたヘミングウェイ(Ernest Hemingway)は、ノートに言葉「お前は私のものだ。パリの全ては私のものだ。だが私は手の中の鉛筆とノートのものだ。」と記しました。ヘミングウェイが手にしていたものこそMoleskineでした。
このブランドをよく知らないガマニア人たちでも、Moleskineを見たことがないとは言えません。なぜなら映画界やファッション界では至る所でその姿を見ることができるからです。「プラダを着た悪魔」のメリル・ストリープ(Meryl Streep)はMoleskineを振り回しながら指示を発し、アン・ハサウェイ(Anne Hathaway)は手にしたMoleskineにその指示をメモしています。「ダヴィンチ・コード」では人類の歴史を決定づける秘密が記されており、また「アメリ」やガス・ヴァン・サント(Gus Van Sant)の「パラノイド・パーク」など数えきれない映画のシーンの中でMoleskineは記録するという機能だけではなく、スタイルと生き方の重要な鍵までも演じています。
消費者にとってノートは暮らしの中の消耗品であり、記録することができれば十分です。そのため消費者にノートへのブランドロイヤリティーを確立させることはたいへん難しく、業者は広告マーケティングをあまり行いません。しかしMoleskineはそう考えていません。次々と繰り出される広告からは消費者がMoleskineノートで生活を記録するということが「気品がある」、「楽しむことを知っている」ということであるというブランドイメージを築き続けているという野心が見られます。これらの広告はインターネットにとどまっていますが、このブランドの真剣なマネジメントの精神を見出すことは難しくありません。競争の激しいステーショナリー市場において、生き残るための道を確実に切り拓いています。
【資料ソース】
1. 頂尖文案
http://www.topys.cn
2. 愛比線上購物オンラインショップhttp://www.ipevo.com.tw/dept/Moleskine?cate=brand_story
3. Flickr
http://www.flickr.com/photos/terrie/6471822823/sizes/l/in/photostream
4. Moleskine Asia
http://www.moleskineasia.com
作者紹介
gamaniabrandcenter
ブランドセンターメンバーが共同で執筆するBlog。
その中身はデザイナー、プランナー、ミュージシャン、キュレーター、クリエイター、エイリアン……たちへ
ブランド、マーケティング、デザインに対する見解と観察を提供している。
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