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最近、多くの人々がこう問いかけてきます。「ブランドにとって、デジタル時代のブランドマーケティングとは一体?」
従来の伝統的なマーケティングにおいて、我々はテレビ、新聞、雑誌、ラジオや屋外看板に頼り、これら幾つかの媒体の特性をはっきりしておけば、基本的に右に倣えで動いていました。しかし、ここ数年、これらは衰退し、すでに通用しなくなってきています。
ここ数年、コミュニティサイトの発起により、ブログ、YouTube、ツイッターからフェイスブック、Pinterestなど、一定の時間が経つとすぐに新興メディアが出現しています。これらの新しいマーケティングツールは、それぞれの長所、作用が異なり、各種方法に対してはまた意見が入り乱れており、混乱を極めています。
ある人は、フェイスブックのファンページを開設し、抽選イベントを開催してファンを増やしたいと考えています。ある人はViral Videoを撮影すれば、広告代をかけなくても視聴率が取れるといっています。またある人は有名なブログを探し、いくつかの紹介文を書いてもらえば、口コミマーケティングとなる、と言っています。どのような方法であれば、一目瞭然で迅速に理解されるのでしょうか?また各種ツールにセグメント化できるのでしょうか?
私の考える「デジタル時代のブランドマーケティング」とは、いたずらに飛び出す産物ではなく、「伝統的」なマーケティングから進化したものです。ブランドが消費者の心の中に入ることが戦争だとしたら、デジタル時代のブランドマーケティングは、このような感じになるでしょう。
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空軍 ATL TVCF MG NP RD OOH |
海軍 ホームページ イベントサイト ブログ YouTube フェイスブック/ツイッター アプリ |
陸軍 BTL トレードプロモーション SP ロードショー ISM EC |
特殊部隊 口コミマーケティング ブロガーによる紹介文 ビジュアルビデオ アプリ |
目的 |
WOW 好印象 |
更に多くの認知を構築 |
Call to Actionの収穫 |
注意を引く奇襲 |
効果 |
短期的にスピーディーに攻撃 |
長期的に深くコミュニケーション |
短期的に目的へ導く |
浸透 |
問題点: 1.多くの目標を襲撃するには、大量に資源消耗が必須。
2.現在の消費者はネット世界を移動している。
▲陸海空軍の概念により「デジタル時代のマーケティング戦争」を解釈。
「空軍」と「海軍」は、伝統的なマーケティング慣用ツールです。簡単に言うと、「空軍」はATL (above the line)であり、大衆メディアを利用したブランドイメージの創造で、スピーディーに爆撃でき、消費者に短時間で認識して貰うことができます。一方、「陸軍」はBTL (below the line)であり、その目的はCall to actionの収穫です。例えば、売場での販促イベント、陳列、展覧会参加などにより、消費者が採取する行動を刺激し、最終的に商品を購買させることができます。考えてみてください。「空軍」が目標を爆撃した後、「陸軍」が領土に進撃してこそ、勝利を手にすることができるのではないでしょうか?
「空軍」と「陸軍」は生まれながらにして一対であり、順調に戦ってこそ無敵ということができます。しかし、ここ数年、ネットとテクノロジーの出現により、消費者の情報収集方法は徹底的に変化しました。我々は従来のメディアにおける「空軍」の襲撃にやすやすと曝されることはなく、時にはネット世界や携帯電話による空洞に横たわることで、「空軍」は我々を爆撃することができなくなっています。このような変化により、作戦計画の投資報酬率はどんどん低くなり、効果も悪くなってきています。ましてや、大衆メディアにはお金がかかり、必ず大量の資源を費やさなければならないため、通常、ブランドは新製品発表といった重大イベント時のみこれを利用しています。では、重大なマーケティングイベントがない場合、ブランドと消費者はどのようにコミュニケーションするのでしょうか?
コミュニティメディアがちょうど「空軍」の不足を補っています。
ここでホームページ、イベントサイト、ソーシャルメディアなどを含むコミュニティメディアを「海軍」と形容しています。その目的は、長期的コミュニケーションの構築であり、消費者にブランドを深く理解してもらうことにあります。これらのサイト上のメディアには一つ共通した特色があります。それは、サイト上のメディアで包括される内容はシェアできるのみならず、同時にフェイスブックなどに伝言したり、一言で、ブログのログなどで特定テーマに対して一連の説明を行うことができる点です。消費者は自己のニーズや段階に基づき、相対する内容を探し出すことができます。
また、コミュニティーメディアに投入する資金の壁は「空軍」ほど高くはなく、細く長く流れるスタイルで、イベントとイベントの間の休憩期間にマッチして、消費者との関係を維持することができます。
ウィルスビデオ、フラッシュイベント、口コミマーケティングなどは、「特殊部隊」です。奇襲を仕掛け、知らないうちに消費者の心の中に進入します。しかし、「特殊部隊」であるため、特殊な状況下でしか出動できず、長期的な正規軍としての使用には不適切です。且つ成功モデルを容易に把握できないのも欠点です。
デジタル時代のマーケティングは、部隊の作戦と同様に、如何にして「陸海空軍と特殊部隊」との間の共同作戦により、ブランドが消費者からの称賛を勝ち取るかが鍵を握っています。
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作者紹介
インターネットマーケティングの観察家 Mika
1960年代生まれで、消費性産業のマーケティング領域において数十年のキャリア。
ブランド戦略、製品概念から発売、立ち上げまでの経歴を持つ。
今までのマーケティングモデルに関心を寄せながら、Web2.0、Social Mediaの変化にも注目中。
ブログ:jabamay.blogspot.com
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