(イメージソース:http://www.casaoito.net/coca-cola-security-cameras)
ある物事に対して、我々は心の中ですでに既成概念をもっています。例えば、刺青があれば必ず麻薬をやっている、金髪であれば絶対不良少年である、筋肉隆々であればきっと肉好き?女の子であれば必ず人形が好き、男性は必ず浮気をする…(最後の例は良くないですね…)。
刻まれた印象の多くがマイナスの先入観です。では、防犯カメラに対する、あなたの印象は?監視、隠し撮り、不快感、暴力や罪と関係がある、非安全と関係があるなど。
これはラテンアメリカのコカコーラの広告です。我々のイメージにおいて、ネガティブな防犯カメラが、幸福、愛、平和、友情に満ちたものとなり、真の感動の幸福なキャッチャーとして1秒1秒を捕らえています。本来は薄汚れた片隅に設置され、隠れて撮影を行うカメラが捕らえたのは、1秒1秒の幸福の時でした。
コカコーラは何を伝えたいのでしょうか?市場はラテンアメリカで、やや「安全ではない」とされるエリアです(これは私のラテンアメリカへの既成概念です)。コカコーラのブランド主張は「Open Happiness」であり、このため、このような安全ではない販売環境でHappinessと主張するために、当地の人々と関連のある「安全」「監視器」といった素材と共に、ありきたりの印象を覆す言葉「Let's look at the world a little differently」(異なる角度で世界を見てみよう)で、消費者の頭に刻まれたイメージを揺り動かしています。
(イメージソース:http://cargocollective.com/pattyorlando#Coke-Open-Happiness)
広告では、監視カメラで映された画面から、幸福や愛に満ちたひと時を選出しています。これは決して役者が演じているものではなく、本当に監視カメラで映されたものを選出したと、私は信じています。役者が演じたのであれば、真実の効果が全くなくなり、広告にマイナスイメージがもたらされるからです。
広告主は永遠にマイナスの言葉を使わず、消費者とコミュニケーションしています。このため、創意を用いて情報を昇華させ、「ブラックボックス」の転換を行い、新しいプラスの言葉で、消費者に幸福と同時にコカコーラを記憶させているのです。
Coca Cola Security Cameras
——————————————-
作者紹介
Bruce
国内外でテレビCM製作、映画製作とシアターのマーケティング、日本電通社の北京支社の原稿創作部門、またガマニア内では監督を歴任し、現在は日本ガマニアで業務開発部課長(Section Manager)。
——————————————-