子供の頃、片目を閉じて真剣に手に持った万華鏡を眺め、一度回すごとに、万華鏡の中で、華麗なシンメトリーが新たに並び変わり、毎回異なった絵柄を作り出しことを覚えています。これは誰にでもある子供の頃の記憶の一つです。インドのデザイナーNishant Jethi氏が突如アイデアがひらめき、万華鏡とゴミ箱を1つにし、みんなに異なった角度から再度ゴミについて考えてもらうように導き、更に元々汚いゴミ箱に不思議な魔法のローブをまとわせ、人目をひくようにしむけました。
インドでは例え田舎であれ都会であれ、どこにでもゴミを捨てることは日常茶飯事です。現地のロータリークラブはこの問題を解決、改善するために、また国民の道徳心を高めるため、デザイナーNishant Jethi氏を招き面白い実験をしてみました。彼らがデザインした万華鏡ゴミ箱を(Cleanoscope)ムンバイの公園内に設置したところ、たくさんの人々がゴミを捨てることに興味を覚え、さらにはゴミ箱に笑みを浮かべ、道行く人もあのゴミ箱はいったい何だろうか?!興味を覚えました。
このゴミ箱は三面ガラスの三角形で構成されており、まるで万華鏡のようで、三面は互いに反射することでゴミ箱にカラフルな図柄を構成させ、新たにゴミを入れると別の図柄に変わります。
1週間実験を行った結果、29キロを超えるゴミを集めることができ、普通のゴミ箱では1週間に12キロしか集められないことを考えると、結果は良好です。このゴミ箱は市民に興味を持たせてゴミを捨てるようにしむけただけでなく、観光名所となりました。多くの人々は見物にやってきて記念撮影をします!学生であろうと社会人であろうと親子であろうと皆足を止めて、ゴミ箱に期待を寄せています。
ゴミ箱は単純にゴミを集める機能から分類できる特殊なデザインに発展し、市民にいつでもゴミをゴミ箱に捨てるようにしてもらうだけでなく、環境衛生を保つだけでなく、地球環境を守ることができます。しかし、もし市民がこの最も基本的な「ゴミをゴミ箱に捨てる」という行為が面倒くさいならば、ゴミ箱は本来の機能を発揮することができません。デザイナーNishant Jethi氏は、功名にゴミを捨てる行為を一つのゲームという発想に変え、市民にこのゴミ箱を利用させることで、道徳心を喚起し、無闇にゴミを捨てることを無くすようにしました。
Cleanoscope Rotract Mumbai
資料引用先
http://www.designboom.com/readers/nishant-jethi-the-clenoscope/
http://daman.cool3c.com/node/64213
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作者紹介
gamaniabrandcenter(ガマニアブランドセンター)
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