ここ数年「MIT」は、いきなり各ビッグブランドが販売上用いるスローガンとなった。以前は、イタリア、ドイツ、日本の逸品、生活用品或いは食品等舶来品ばかり買い、第一選択としてほとんど台湾のものを選ぶことはなかった。しかし、ここ1,2年で空気が変わったようだ。政府はついに「目が覚めた」のだ。積極的に企業に自社ブランドを推し進めるよう推奨し、マスコミもいつもに非ず強力に、いわゆる「台湾の光」を宣伝したので、消費者さえも「MIT」製品に同調し、自分たちが育ったこの土地への愛着を表現し始めた。この時、我々は初めて、台湾もついに、いわゆる「国家ブランド」を持ち、その台湾ブランドがあたかも自分のストーリーを話し始めたようだと気付いたのである。
続々と「光を放つ」台湾ブランドの中、特に印象深いブランドがある。かの名前は、その表現と同じように、全ての人にとって価値があるー「掌生穀粒(掌から生まれた一粒の穀物)」。
「我々は農業の魂を身にまとい、文化が作り出す命を感じ取る……」これは掌生穀粒が自身のウェブサイトのプロローグに載せている言葉で、彼ら自分自身への期待でもある。事実、ブランドイメージであろうが、賞品の包装や消費者との交流であろうが、掌生穀粒は充分に文化的アイディアで製品価値を作り出す能力をしっかり掴み取っているため、実際彼らは確かに成し遂げているのである。
掌生穀粒が出したお米各種(製品)は、包装に気を使っているだけでなく、同時に更に一つ一つ暖かい農家のストーリーを記している。例えば、「飯先生」が語るのは、台東県徳高里の范爺さんのストーリー、「一斉米」が語るのは花蓮県玉里鎮の有機農業の革命についてのストーリー、「蔵玉米」が語るのは花蓮玉里の人々のこだわりについてのストーリー……といった具合である。創設者の李建徳と程昀儀夫妻は、映像、文字またデザインされた包装を通して、台湾の地への感情を製品に変化させ、また製品のそこに含まれている意味から「知福感恩(幸福を知り感謝する)」のブランド精神を展開することに成功している。程昀儀が描いたこれらの農家のストーリー、李建徳が撮った写真を見ると、本当に一種のあたかも田んぼの中で転がりまわる喜びを感じることができ、同時に一種の人情世故の感動をも伝えてくれる。
今年八月、掌生穀粒の「一斉米」は、呼吸する牛皮の紙袋に、手書きの文章を書きこんだ包装で、ドイツRed Dotデザイン賞を獲得した。これはまた台湾のブランドやデザインを世界に広げ、より多くの人に台湾という土地の深い文化を理解してもらうことにもなる。このような製品、このようなブランドは、まさにみんなで手をたたいて励ます価値がある。
オフィシャルサイト(www.greeninhand.com)絵も文も内容が豊富で、更に感動できる。
作者紹介
gamaniabrandcenter
ブランドセンターのメンバーとともに共同でBlogを執筆。
デザイナー、プロデューサー、音楽家、企画マン、アイディアマン、異星人……
ブランド、販売、デザインに対しての見解と観察を提供中。
部落格:gamaniabrandcenter.blogspot.com
ブログ:gamaniabrandcenter.blogspot.com