「この本を通じて、草間彌生の内面の世界をつぶさに探索することができ、現代の先端ファッション業界[注1]が恋焦がれるこのアーティストの堅固な個性と偏狭な成長背景をこの本は細部にわたり表現しています。
芸術とは一体?どうしたら卓越したアーティストになれるの?これらの問いに対して基準となる答えはありません。しかし、無限の網を読み終えた後、このアーティストの堅持とシンプルさを理解し、そして感動がもたされます。『でも、自分の道を貫くしかない。死ぬまで私の主張をつづけて、この荒廃の中でたとえ悲しい思いをしても、自分の考えを芸術の中に命がけで表していけばいいのだ、と私は思い直した。それで百年後に誰かが私の作品を見て、草間さんはいい仕事をしたと思ってくれれば、それで満足だと思っている。芸術は私にとっての信仰なのだ。』–草間彌生。」
[注1]Yayoi Kusama for Louis Vuittonシリーズ
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日本・現代アートの巨匠: 草間彌生
≒Near Equal Kusama Yayoi
「人生は真実素晴しいとつくづく思い、体が震えるほど、芸術の世界は尽きることなく興味があり、私にはこの世界しか希望のわく、生きがいのある場所は他にないのだ。そして、そのためには如何なる苦労をしても悔いはない。私はそのようにこれまで生きてき、これからも生きてゆく。」-草間彌生
本書は草間彌生の初の中国語版自伝であり、類まれなる創作の道に満ち溢れた自己の一生を振り返っています。本書は1975年、アメリカに渡ったところから叙述されています。それは、彼女は幼い頃から絵を描くことが大好きでしたが、本当に心を決めた、命運を握る重要な鍵は、日本を離れることを決意し、アメリカへと渡ったその瞬間だったと考えているからです。
草間彌生は自伝の中で、アメリカでの生活、芸術創作の源と概念、彼女がいかにその個性によりニューヨークの芸術界で名を馳せ、個展を開き、当代きっての有名アーティスト・アンディウォホールと一緒に酒を交わし、創作し、ポップアートの先駆者の一人となったのかを詳細に叙述しています。また一方で、自己の幼い日の思い出、家庭背景、勉強の過程、そして芸術創作へと駆り立てられた源についても差し込んで叙述しています。
草間彌生は自らを「精神病アーティスト」と称しています。本の中で、彼女は自身の精神状態をあからさまに語り、芸術創作がどのように精神崩壊の淵から彼女を何度も救ってきたかを話しています。「私は芸術というラインを巻き続けることで、できるかぎり自己の生存方法を模索するよう努力することができた。この窓口がなかったら、私は絶対、ずっとずっと以前に周囲の環境が受け入れられず、自殺していたはず」。模索し続けた芸術が彼女を導いたことにより、彼女は生き続けることができ、最終的に日本に多大な影響を及ぼす現代アートの巨匠となったのです。
草間彌生
1929年・長野県生まれ。前衛彫刻家、画家、小説家。日本において国宝級の現代アートの巨匠と認定されており、世界百大重要アーティストに選出されている(アジアでは僅か2名が入選)。
—–博客来ネット書店から抜粋