G!VOICEの推薦文:
「少し想像してみましょう。破れた絨毯を庭園に捨てると、分解されて土に養分が届いたら。洗剤を河川に流すと、河川を養分豊かなものになったら。庭園や田んぼに立てられた注意書きに『どうぞゴミを捨ててください』と書かれていたら……。『ゆりかごからゆりかごへ』というこれからのエコ理念は、あなたのグリーンデザインに対する概念を覆し、新たに考えさせることでしょう。」
内容について:
大自然には捨てるべきモノはありません。桜の木が花を咲かせ、その花が地面に舞い散った時、資源が無駄になったと感じる人はいません。なぜなら、すべての枯れ枝や落ち葉、散った花は、みな土に戻り、再び養分となって、新しい花や果実を育てるからです。
もし人類の社会が桜の木のおかげで繁栄するとしたら、世界はどのような景色になっているのでしょうか?そうなると、私たちが考えるのは、環境汚染を減らすには、資源の無駄を無くすには、廃棄物の発生を減らすには……もうそのようなものではなくなります。それは原点に戻って、どうすれば初めから、まるで桜の木のように、たとえ覆い茂った花がすべて落ちても、依然として脈々と息づいていけるのかを考えることになります。
すべての物事におけるデザインが皆、『ゆりかごからゆりかごへ』の概念に従い、そして、生み出された瞬間から墓場へ向かうものでなければいいのです!
この革命は理想家の戯言ではありません。現在、すでに600品目以上のC2C(cradle to cradle)製品が開発されています。フォードは近く大豆とトウモロコシで作られた自動車をリリースします。ナイキはリサイクルできるシューズをデザインしました。世界で最も人間工学を取り入れているオフィスチェアメーカー、ハーマンミラーはほとんど100%再利用できる椅子を作り出しました。ポートランドのgDiapers社は毒素を含まないコットンおむつを生み出しました。その内層は100日以内で土壌に分解することができます。中国では、持続発展のできる都市計画実験を始めています。オランダはさらに「C2Cブーム」に入っており、世界初の「ゆりかごからゆりかごへ」を徹底的に実践する国作りに着手しています。
——博客來書籍館より抜粋
筆者について:
l ウィリアム マクダナー(William McDonough)
アメリカ・バージニア大学建築学部長。現代における「サスティナブルな建築」の提唱者。東京で生まれたことにより、少年時代に日本スタイルの生活の中から自然と調和した建築設計を体得した。優れたデザインは環境と経済の両方においてバランスが取れるという信念を持ち、自らのデザインにおいて徹底的に実践し、世界中にその影響力を及ぼしている。1996年にサステイナブル開発大統領賞、1999年に《タイム》誌地球ヒーロー賞、2004年にナショナルデザイン賞を獲得した。
l マイケル ブラウンガート(Michael Braungart)
ドイツ・リューネブルク大学化学部教授。若い時は過激な環境行動主義者で、「グリーンピース」(Green Peace)初の博士となった。さらに70年代にドイツ緑の党を創設したメンバーの1人でもある。かつて、自分を煙突の上に縛り付けて、化学工場の汚染物排出に抗議したことがある。また、北海を泳ぎ、漁船による乱獲に抗議したこともある。
1987年、スタイルを変えることなく、「環境保護促進機関」(EPEA)を創設し、企業との協力を始める。経済発展、商業利益、環境バランスの3つを考慮したインダストリアルデザインの手法を研究しており、世界各地で積極的に講演活動を行い、その理念を広めている。2007年10月に初めて台湾を訪れ、短期ワークショップを開催した。
上述の建築家と化学者により、お互いの長所を繋ぎ合せたMBDCデザイン化学会社が設立されました。既存の枠組みを外すことに最大限努力し、全く新しいコンセプト、環境と利益を考慮した様々な工業製品、建築及び都市を企画します。有名なプロジェクトには、シカゴ市役所にある緑の屋上、フォード・モーターのリバールージュ工場の生態回復プロジェクト、米国ノースカロライナ州の「グリーンブリッジコミュニティ」、中国広西省の「官塘(かんとう)環境パーク」など、サステイナブルな発展コミュニティ計画が含まれています。公式サイト:www.mbdc.com/
——博客來書籍館より抜粋