誰の言葉かは忘れましたが、水を売るのが一番儲かるそうです。なぜか?それは簡単な数学です。水のボトルの「売値」から「コスト」を差し引くと、利潤がとても高いからです。儲かる商売は誰もがしたがるもので、コンビニやスーパーには所狭しとミネラルウォーターが並んでいます。ではどの水を買うのか?決め手はボトルに詰められた水ではありません。どのブランドの印象が残るかがカギとなります。
数あるミネラルウォーターの中でも、最も深く印象に残るのはフランスのEvianです。理由は二つ。まず、この1~2年EvianのCMがよく目につきました。Xゲームの場面や頭の大きな赤ちゃんが見せるシュールなユーモアが注目を集めました。もう一つは2007年から毎年行われている「デザイナーズボトル」です。2007年のChristian Lacroix、2008年のJean Paul Gaultier、2009年のPaul Smith、そして去年のIssey Miyakeと、いずれもコレクターの心をくすぐるものでした。ブランドとEvianの相乗効果は言うまでもありません。
Evianはネット世代にアピールしながら、おしゃれな限定版にも乗り出しています。さらにブランド自体がエコを強く意識しており、こうした手法を頼りに水を売ることで、Evianはいとも簡単に世界最大の販売量を誇るミネラルウォーターブランドになったのです。ヤング、スタイリッシュ、クールといったブランド精神は、早くからマーケティングを通して人々の心にあっという間に浸透していきました。 かわいさあふれる元気な赤ちゃんが世界中の人気者に。
▲この動画はあちこちに拡散され、EvianのYouTubeを利用したウィルスマーケティングの成功例となった。
▲2007年より、Evianは毎年「デザイナーズボトル」をリリース。去年は三宅一生とのコラボレーションによる限定版を発売。
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筆者について
gamaniabrandcenter
ブランドセンターのスタッフが共同で執筆するBlog。
デザイナー、プロデューサー、ミュージシャン、プロモーター、クリエイター、エイリアン……様々な観点からブランド、マーケティング、デザインに対する見方や考え方を発信。
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