商品のブランドマーケティングについてはもう当たり前で、コマーシャル撮影、PRイベント、イメージキャラクター、ネット拡散等、頭の中ですぐに様々な方法が思い浮かぶかもしれません。しかし、今日PRしなければならないブランドが一つの都市だとしたらどうでしょうか?
熊本県は、人口わずか180万人の日本の伝統的な農業県で、この秘密兵器-くまモンを新たに開発し、これを頼りに、熊本県は全国での知名度を9割にまで飛躍させました。観光者数は約19万人増加し、さらに2012年のくまモンの関連グッズの売上高は実に293億6千万円に上りました!最近では台湾のコンビニエンスストアでもブームに追いつこうと、くまモンのシリーズ商品を販売しています。田舎のまちからやって来たくまモンは、一体どのようにして世界の舞台に躍り出たのでしょうか?《G!VOICE》と一緒に探ってみましょう!
都市マーケティングの多様な姿
観光は各国が発展を競う新たな経済で、故郷の風土や文化にもっと人々の注目を集めようと、まちがあれこれと懸命にアイデアを模索しています。文化クリエイティブ産業を国家の重要な発展方向の一つとしているイギリスは、アートフェスティバルによって、国内外の人々がこぞって訪れ、ロンドンの博物館ではApp (Streetmuseum)を製作し、拡張現実を通じて街を歩きながら歴史の再現を目にすることができます。また、オーストラリアで盛んなワーキングホリデー、さらに話題性十分の「世界最高の仕事」など、都市の知名度が大幅に上がり、さらに経済が繁栄し、地方により多くのチャンスを創造します。
田舎の農業県でも、熊本県はより多くの隙間の獲得を期待しています。九州新幹線の熊本駅の開通のチャンスを狙い、全くマーケティングのバックグラウンドの無い熊本県の公務員らが情熱を胸に一連の計画をスタートしました。まず現地の作家小山薰堂氏、デザイナーの水野学氏に依頼してくまモンの原型を完成させ、その後、街頭での突撃PR、名刺を送るなど、一歩一歩足跡を残しました。さらに思わず笑ってしまうような動作を特別に研究し、くまモンはユーモアたっぷりです。311の地震により、くまモンは順調に目立つことはできませんでしたが、街頭イベントと面白くて可愛いネット動画で大きな話題となりました!
版権フリーで全世界に広がる
大きな話題となった後、くまモンブームをどのようにして継続させ、より多くの人に知ってもらうか?熊本県政府は大量の露出戦略を採用しました。熊本県のPRに関連していれば、無料でくまモンの肖像権を使用することができるのです!熊本県はロイヤリティーを犠牲にし、損して得を取る方法でくまモンの知名度を手に入れました。誕生から現在まで、くまモンのライセンス商品は累計で2万点以上にのぼり、衣食住、交通、教育、娯楽、全てをカバーしています。最近では海を超え、台湾のコンビニエンスストアの新たな寵児となり、その人気の高さがうかがえます!
大量のライセンスにより、くまモンの価値はぐんと上がり、熊本県庁の統計で、一昨年の関連グッズの売上高は293億6千万円に達し、多くの現地の小企業がくまモンのライセンス商品により、新たにマーケットに参入するチャンスを見出しました!
▲くまモンのライセンス商品の種類は非常に多く、TAMIYAが販売したくまモンのミニ四駆は、発売開始から即完売した。
くまモンから熊本県を知る
従来の都市マーケティングの多くが自身の特色を運用する方法をとって来ましたが、くまモンは別の新たな模範を築きました。まずキャラクターで心をつかみ、それから地方を知ってもらう。商業製品のバーチャルイメージキャラクターはいくらでもあるものの、都市にとっては、成功例はほとんどありません。くまモンチームはこう言った戦略を大胆に採用し、また綿密で包括的な話題操作を通じてくまモンを日本全国で流行させ、さらに世界へと進出させました。
都市マーケティングは伝統文化や特色ある観光スポットをPRしなければならないなんて誰が言ったでしょう?くまモンのケースが別の可能性を体現しました。現在、くまモンの世界観はますます完全になり、「熊本県営業課長」の役職がつき、オフィス、ファンクラブまであります。毎日訪問スケジュールをこなさなければならず、時々失踪騒ぎでファンたちが捜索することも。さらに、去年の7月にくまモン広場が建設され、多くのファンを満足させるだけでなく、地方文化の一部となりました。
▲くまモン広場に設置された課長のオフィス
▲くまモン広場には限定の関連グッズの販売コーナーが設置されている
参考資料:
http://goo.gl/94T3Sq
http://goo.gl/ul0tmF
http://goo.gl/fCglrb
http://goo.gl/kYRhOV
http://goo.gl/Qd00Pr
イメージソース:
http://goo.gl/tgNvin
http://goo.gl/zZVwY1