オーストラリア発のチャリティーブランド・Movemberは、Adam Garoneによって2003年に創設されました。髭を再度流行させたいと考えていたところ、髭を蓄えて男性の健康問題に結び付けて話題づくりを行おうと思いつきました。10月には乳がんの予防治療を啓発するピンクリボン運動が行われており、11月は男性の健康問題についても考えてもらう好機だと考えたからです。そこで、Mustache(髭)とNovember(11月)の2つの言葉を掛け合わせ、11月にみんなで髭を蓄えて募金を呼び掛けるMovember運動を始めました。それから12年後、Movemberは精巣がん、前立腺がん研究の最大の協賛者となりました。ブランドの公式統計によると、昨年11月には合わせて70万人以上が運動に参加し、7500万米国ドルの募金を集めました。
Movemberは、涙を誘う広告を出したり、感情に訴えたりせず、ユーモアかつユニークなコミュニケーション方法でブランドのオリジナリティを表現しています。そのことはボランティアに対する呼び方からもうかがい知れます。Movemberでは男性ボランティアをMo Bro、女性ボランティアをMo Sistaと呼び、友達のように呼び掛けることで、気楽で友好的な雰囲気を形成しています。また、Movemberの広告戦略は、ブランドのユーモア、ユニークさを延長し、髭を蓄えて資金を募るMo Broがヒーローイメージを打ち立てることを試みています。
▲公式のMo Heroシリーズの映像のほか、アメコミヒーローやスターに髭を付けたオリジナル作品もある。
パートナーがひげを蓄えることへの女性の抵抗を和らげるため、Movemberの広告は、イベントに参加するMo Bro像を作り上げ、Mo Sistaの自慢と感じられるようなものとなっています。
チャリティーイベントやチャリティー食事会とは厳かになりやすいものです。Movemberはこのような枠組みを取り払って募金活動を大きなPartyへと変え、多くの人が参加したいと思うものにしました。多くのブランド、公共機関までもがこぞって製品に髭を書き加え、この盛会に参加しています。11月1日の髭剃り日、髭ランニングイベントやイベント終了後の盛大なパーティーを問わず、Movemberはみんなで一緒に楽しみ、チャリティーを行う雰囲気を作り続けています。
▲Movember Gala Partyは募金者が仮装して出席し、パーティーでは今年度の最優秀髭造形賞、最優秀服装造形などの表彰が行われる。
▲多数の航空会社がMovemberイベントに賛同している。
一つのブランドストーリーを伝達するよりも、Movemberは募金者自身にストーリーを語らせるほうが得意です。彼らはメンバーに周りの人たちに髭を蓄える理由を伝えることを奨励しています。ウェブサイトに専用エリアを設け、各Mo Broの募金専用ページを作成してイベントに参加する経緯を書かせ、ソーシャルネットワークメディアを通じてイベントを広めています。イベントを素早く世界中に広めるため、Movemberはコンセンサスを導入しています。メンバー自らがMo Party募金イベントを開催するように奨励し、Movemberは広告デザインの提供と推奨マニュアルの提供のみを行います。このような方法により、Movemberは広告費用を削減できるほか、Mo Bros & Mo Sistasの人脈を通してより効果的にブランドの知名度を世界中に広めることができ、昨年までに21の国、51の都市の賛同を得ています。
▲募金専用ページにはMo BroのMovember参加歴と参加理由、個人とグループの募金に応じた金額などの情報が掲載され、メンバーはページ下のメッセージエリアを通じて寄付者とコミュニケーションを図れる。
Movemberは手軽でユーモアな態度でまじめな話題を議論することにより、多くの人から好評と支持を受けています。このような手法は台湾の公益団体ではあまり見られません。私たちももっと手軽でユニークな方法で募金を呼び掛けることにより、チャリティーイベントをもっと楽しく有意義なものにすることができるかもしれません!
データソース:
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