Gogoro都市新探索BETA PROGRAMイベントが終わり、その過程でDesign Tongueの記憶に残ったのは熱血以外に何でしょうか?そう、ユニークな体験です!前回のライディングレポート(Gogoro X Design Tongue – 未来の二輪車生活体験)をお読みいただき、すでにGogoroについてご存じの方もいらっしゃるかもしれません。そして今回Design Tongueは、Gogoroアプリの体験と拡張応用について簡単にご紹介し、みなさんにGogoroアプリのUIインタラクション方式と今後の発展の可能性についてご理解いただきたいと思います。
アプリUI操作性
二輪車に接続し、二輪車のカスタマイズと車両チェックを行うのが、Gogoro app の主な核心的機能です。中でも、カスタマイズされた項目は多元的で、UI設計においては複雑なプログラムの簡素化が必須です。さらに提良好な操作関連、フィードバック、即時性(アプリと二輪車カスタマイズ間の対応とインタラクションの関係)を提供しなければなりません。Gogoroはどのようにして提供できたのでしょうか?続きをお読みくだされば分かります!Design TongueはUIの操作フローとトランジション効果(動画)をシェアしました。
▲アプリ機能プレビュー
GOSTATION
GOSTATIONはライダーに付近の充電スタンドを知らせ、電池の予約ができるため、交換のために電池が持って行かれて、もぬけの殻になってしまうといった状況を防止します。ユーザーがGOSTATIONを開くと、すぐに位置情報機能が起動し、位置情報地点の付近の充電ステーションを走査します。この過程においては、レーダー走査のような動態効果により、待っている際の『煩わしさ』を低減し、製品の『テクノロジー感』を向上させました。検索が完了すると、位置情報地点を円心として、周囲の充電ステーションの情報が表示されます。ユーザーが付近の道路状況に不慣れな場合、ナビゲーション機能を起動すれば、充電ステーションを見つける手助けをしてくれます。
全体的には、ユーザーが遭遇するシーンについて、設計者はほぼ考慮しているものの、さらに特殊な状況が発生する可能性があります。例えば、
充電ステーションの営業時間と状態に関する情報(24時間営業のところもあれば、閉店して使用できないところもある)を提供しておらず、ライダ―が現地まで行ってもバッテリーを交換できないといった状況が起こる可能性がありました。
また、フル充電されたバッテリーの数量が表示されるものがベストです。ステーションで半分しか充電されていないバッテリーに交換した後で、さらに次のステーションでフル充電されたバッテリーに交換しなければならないといった事態を避けることができます。もちろん、個人のライダーがこの状況に遭遇する可能性は高くありません。しかし、大勢のライダーが一緒に出かける(集団ツーリングが流行しています。)となると可能性が出てきます!この情報があれば、ライダーたちはそれぞれ別のステーションに行き、バッテリーを交換するよう計画することができます。
また、ユーザーが位置情報地点から10キロ以上ある GOSTATIONを調べることはできません。デフォルトの範囲を超えるとシステムが通知します(設計時には、バッテリーがなくなりそうになった時に優先的に表示する情報は一番近い充電スタンドだったのかもしれませんが、ユーザーがこの情報を参考にし、新たに走行ルートをプランニングすることは考慮されていません)。この問題についてはすでに修正されています。修正後のUIはアイコンの透明度で距離を表し、不透明の場合は10キロ以内、半透明の場合は10キロ以上の充電ステーションを表します。操作の自由度が増し、使用の過程でもより便利になりました。
個人設定
個人設定はこのアプリの最も魅力的な機能の一つで、ユーザーに二輪車のスタイルのカスタマイズと、走行の習慣の調整をさせます。ユーザーはアプリから二輪車を設定するため、ペアリング(mapping)の感覚と操作は直感的なものである必要があります。例えば、アプリでは『フロントフォグランプ』を設定することができますが、ほとんどのユーザーはこの機能をご存じないのではないでしょうか?それからフロントフォグランプは車体のどの位置にあるのでしょうか?そのためGogoroのUIでは、上部を3Dがメインで文字で補足する二輪車概略図、下部を調整・制御部という2つの部分に分けています。このような設計により、ユーザーは機能と二輪車モジュールをすばやく結びつけることが可能となり、自然と学習コストも低減します。
この他、いくつかの設定可能項目についても、プレビュー画像と音声等により、ユーザーが設定後の効果と状態を理解する手助けをします。
設定には数ステップしか必要ありません:選択→プレビュー→確定、こんなにも簡単なのです。下記はデモンストレーション:
中でもDesign Tongueを唯一困惑させたのが、ハードウェアの視覚エリアに出現する ㊉ アイコンでした。Design Tongueは㊉ の意味を、Gogoroを交換してルールを追加することであると理解しましたが、実際の操作においてはあるモジュールへの『切り換え』を意味していました。ネットワーク上でユーザーが困惑した状況を発見するには至りませんでしたが(ひょっとしたらDesign Tongueの思い過ごしだったのかもしれません)、この符号(アイコン)の意味を伝えるという課題には皆が考えさせられました。
車両状況
従来の二輪車とは異なり、Gogoroの車体には30組、バッテリーには25個のセンサーが組み込まれています。ユーザーはアプリからワンクリックで走査することで、いつでも二輪車の状況と正確な故障発生箇所を把握することができます。それに対し、客観的な資料をユーザーに提示し、全てをより透明化して、情報のつり合いがとれていないといった状況を減らしました。もちろん、修理スタッフにとっても、より便利、より正確に故障部品に対して修理できるため、效率面でも大きく向上されました。
センサーも随時二輪車の状態をモニタリングしており、不適当な操作や二輪車が転倒した等、何か問題が生じた場合にはアプリを介してライダ―に通知します。
Design Tongueは車両状況チェック中の動画が非常に気に入っています。診断ボタンを押すと車体が回転し始め、下から上に走査し、走査する車体部分が半透明の枠線に変わります。その後車体が一回転するとチェックが完了します。Design Tongueは何故この動画が好きなのでしょうか?
チェックの過程に動画を加えることで視線を引きつけ、待ち時間の煩わしさを低減します(チェック時間は長くはありませんが。)。
二輪車が一回転し、下から上に走査することで、二輪車が『精密』にチェックされたとユーザーに思わせ、心理的により安心し信頼してもらうのです。
下部にはチェック部を箇条書きにし、チェックリストのようにすることで、プロっぽさも十分です(SOPは非常に重要です)!
唯一合理的でないところは、
ケータイを二輪車と接続していないと、アプリが走査機能を実行できないことです。この点に関しては理にかなっていないようです。ひいては、接続もしていないのに二輪車の状況をチェックできてしまうのであれば、接続時の走査は動画を表示するだけではないかといった疑問すら抱かせてしまいかねません。そのため、Design Tongueはページを開いた時にはまず現状を維持し、ユーザーが車両全体のシステム走査を必要とした時に、接続されていないことを通知し、同時にユーザーの接続をアシストすることを薦めました。このようにすれば、ユーザーにとってはより信頼でき親切でもあります。
走行情報
走行情報画面では過去12回分の平均速度、最高速度、燃費、CO2削減量を含む走行記録を閲覧できます。他にも次回メンテナンス日や停車位置等も確認できます。
しかし何故過去12回分の走行記録なのでしょうか?速度に関しては、12回分の平均値の意義は大きくなく、ひいては極端値の影響を受けやすくなっています。また、レース好きのDesign Tongueは、平均速度が非常に遅いと感じ、その原因が市街地の信号と制限速度の違いにあると推測しました。そのためこのデータはユーザーにとって意義が大きくないと考えたのです。
反対に最高速度は一見の価値があります。高速走行中ライダ―は下を見て速度を確認することができないため、停車後にアプリで記録を更新したかどうかを確認できるためです(違います。やはり交通ルールを遵守しなければなりません。)しかしこの数字は過去12回のバッテリー交換時の記録であり、全ての走行における最高速度の記録ではありません。また、メンテナンス日と停車位置も非常に実用的な機能で、システムが関連情報の記録を手助けしてくれます。
個人ファイル
この部分で最も興味深いのはエンブレムの収集です!Gogoroは成就システムを設け、ライダ―たちがクエストや目標を達成すると、ユニークなエンブレムを獲得できるようにしたのです!しかもこのエンブレムはイベントや時事ニュースにより追加され、ユーザーに大きな期待と驚きを抱かせます。例えばソウデロア台風がきた時には、外出したついでにバッテリーを増やすと意外にも『早く帰ろう』エンブレムを獲得し、ユーモアに満ちており、またGogoroの気遣いも感じられたのでした。
Gogoro都市新探索BETA PROGRAMイベント期間中には、21枚のエンブレムを集めたpilotがいました。エンブレムの意味について興味がある方は以下をご参照ください:Gogoroエンブレム/勲章収集情報—Pilot版(21枚)。非常に興味深いです!
この部分は画面構成がシンプルなため、操作に大きな問題はありません。唯一の欠点は アプリ上で個人名と登録写真を直接変更できないことです。以前のバージョンでは、個人名の変更はHPからに限られ、アプリではこの機能を提供していませんでした。提言を受け、アプリの設定画面にHPのリンクを追加し、ユーザーがHPにアクセスして個人名を変更できるようにしましたが、アプリで直接変更できないのが多少面倒であることは確かです。
開発スケジュールが緊迫していたせいもあり、修正の問題と開発した機能の重要度と緊急度が逆転してしまいました!Design Tongueはこの小さな問題が今後修正されると信じています。
アプリ拡張の可能性
ソフトウェアの一番優れた点はハードウェアより更新コストがはるかに低いことです。Gogoroはソフトウェアの開発と更新を通じて、ソフトウェアとハードウェアを強化・統合し、できる限り『smart scooter』の称号を得られるようにしました。さらにスマート二輪車との相互作用において、アプリは拡張と操作の簡素化という役割を担っています。ソフトウェアの応用はハードウェアの外観をよりシンプルにします(例えばボタンを取り除く)。画面上でもハードウェアの大きさと形状のために操作性を犠牲にすることはありません。
一般家庭用の電話を例にすると、ボタンの数には制限があるため、時間を調整するにはAボタンを3秒間押し続け、その後で分、秒の調整をする、あるいはA+Bボタンを3秒間押すことである機能を起動させることができる、という操作方法になるでしょう。ここから以前のボタンによる操作方法は親しみやすいものではないことが分かります!アプリ画面で表示すれば、全ての機能を種類ごと、レベルごとに並べ、さらには操作の利便性を高めることができ、多くの機能を満たすこともできます。
▲複数の作業・レベルのUI模式図 / 画像引用元:http://www.brit.co/smart-house-app/
Gogoroアプリの未来
ハードウェアの規格と車内の複数のセンサーを組み合わせるのに、Gogoroは異なるアプリや機能を開発するだけで、さらに多くの応用を拡張することができるのです。Design Tongueは発展の方向性には次の3つがあると考えています:1)二輪車本体、2)後方支援サービス、3)コミュニティ応用。(以下はDesign Tongueの ブレーンストーミング)
▲画像引用元:公式HPよりキャプチャ
二輪車拡張応用アプリ
ナビゲーション機能を備えたウインカー – 走行中は走行ルートを設定したケータイをずっと見ていることはできません。車体上部パネルのウインカーで表示し、音声により補うことができば、ナビゲーション機能と安全性を満たすことができるようです。さらにクレイジーな考え方は、マークでライダ―にToDoリスト、メール、メッセージ等を通知するというものです。この他、ケータイの地図ナビゲーションと二輪車のジャイロスコープ、GPS追跡により、走行ルート、標高、時間を記録できます。
現在のGogoroアプリ内のデータの記録と更新方法に基づく推論(現在はバッテリー交換時にデータを更新。)では、Gogoroも上記の機能について考えたことはあるはずです。ただそれらの追加がバッテリーの持ちに影響する、あるいはその他の原因により、最も良好な走行体験を維持するため、機能の追加についてはさらなる研究と観察を経て開発することにしたのでしょう。
後方支援サービスアプリ
メンテナンス情報リスト:現在のGogoroアプリでは総合項目のメンテナンス通知のみ提供し、詳細項目のリストはありません。メンテナンス詳細項目リストは全員が見たいものではないかもしれませんが、この情報を提供できれば、ライダ―たちは二輪車全体の状況を一気に把握できます。これにより安心感を得られ、心理的な効果は機能性をはるかに上回ります。
自動状況報告:事故発生時に解決により多くの時間をかけられるようにするため、コールセンターはいち早く関連情報を取得します。サービスの体験とクオリティは可能な範囲内でベストにします!例えば重大な衝突に遭遇した場合、アプリは後方支援ユニットと保険会社に信号通知を自動発信します。さらに調査・分析のため、衝突前の走行情報を関連ユニットに提供することも可能です。
コミュニティ応用アプリ
Gogoroとファンが増加して生態系が形成されれば、自然とコミュニティの概念とイベントが生まれます。この時がコミュニティ応用のアプリをリリースするのに適しています!例えば『週末ライダーズ』、多くの人が共に大屯山に登ったり、美食グループ、運動グループ…等、過程において互いにライディングの心得や他の趣味を分かち合い、コミュニティをより活発にし、関係もより良くすることができます。しかもコミュニティの応用は単に集団ツーリングにとどまらず、道路状況(渋滞、どこに警察があるか…XD)、天気情報等、応用の範囲には多くの想像空間を提供しました!
2015年のあのアツい夏、pilot 074 Design Tongueは舞台から下りて一礼しました。
Design Tongueはあんなにも多くの発想をしましたが、未来のGogoroアプリは一体どのような新機能をリリースするのでしょうか?本当に期待してしまいます!良い機能を生み出す洞察の多くはユーザーの観察やフィードバックから得られるものです。そのため、どのようにしたら『スマート』二輪車の優位性をうまく発揮できるか、最もすばらしく最もユニークな体験をデザインできるのかについて、皆さんから有益な意見を広く吸収したいと思います!最後に、下の写真のお守りに感謝します… XD。おかげで街中の大通り、路地を何事もなく走り抜けることができました!警察に二輪車を止められて記念写真を撮ることすらなく、pilot 074 Design Tongueは舞台から下りて一礼します!
▲PLIOT 074 / 20150624 – 20150820
作者プロフィール
Design Tongue / Jeremy Lin
Design Tongueは、ユーザーインターフェイス、インタラクションデザイン、ユーザーエクスペリエンス、プロダクトデザインの動向、サービスデザイン等を含む、ユーザーエクスペリエンス関連のテーマに注目するプラットフォームである。より多くの読者にデザイナーたちのたくみな構想を理解させようとし、同時にdesign thinkingという考えを押し広めている。