あなたも洋服を買ったことがあるでしょう。けれど、洋服に付いている「価格、洗濯表示、お手入れ方法」のタグを真剣に見たことはありますか?洋服を買って家に帰り、一番にする事とといえば、それらのタグをぜ~んぶ切り取ることでしょう!
タグは大多数のブランドにとって必ず必要であるものですが、消費者にとってはさほど重要ではありません。しかし、現在あるブランドはタグをブランドにとってプラスとなる優れものに変えただけでなく、あなたもきっと捨てるのが惜しくなってしまう素晴らしい道具にしました。一体どうやって!?それでは一緒に見てみましょう。
アメリカ発、アウトドアスポーツウェアブランドで有名な『Columbia』がブランドの「アウトドアスポーツ」という特徴を強化するために登山・キャンプ・釣りを楽しむ人たちのニーズに対し、使い捨てのタグを、木を切るのに使ったり、破れた服を繕ったり、川の水をろ過したりできるステンレスのサバイバルアイテムにしたのです。
▲本来洋服のサイズを識別するためのタグが、ステンレスの分解可能なノコギリに。
これらの多機能のステンレスタグは、レーザーカット技術を利用しており、元々一枚の長方形の説明タグから様々な形をカットし、簡単に切り分けて異なるサバイバルアイテムにすることができます。
このシリーズは1セットで計6種類あり、その基本的な機能は以下の通りです。
日時計(太陽を利用して現在の時間を知ることができる)、
裁縫キット(洋服を繕うだけでなく、袋を閉じるボタンも付属)、
釣りキット(釣りができる釣り針、釣り糸)、
六分儀(今居る場所を確認することができ、缶切りとしても使用できる)、
ノコギリ(木を切るだけでなく、木の摩擦を利用して火を起こすこともできる)、
浄水フィルターキット(浄水機能だけでなく、挽いた粉末コーヒーも付いていて、浄水してコーヒーをいれることができる)
その他、どのタグにも「使用方法」のレクチャー動画のリンクが記載されており(でも、見つかりませんでした)、家に帰ってその通りに自分で上記の道具にセットすることができます。これらのタグのセットが洋服に付いています。
実用的かどうかは重要ではなく、それを取っておきたいと思い、常に「ブランドの存在」を喚起させることが重要なのです
本当のアウトドア好きにとって、この日時計でもありノコギリでもあるタグは、実用性では便利なアーミーナイフには及ばないかもしれません。しかし、それが何か?SUVを運転する人の大部分が決して山野を走るために乗っているのではなく、Air Jordanを履く人もまた本当にバスケットが上手とは限らず、Macbook Proユーザーが必ずしもデザイナーなわけではありませんよね。ポイントはここです。
「私たちが買うのは商品そのものではなく、商品が私たちにもたらす素晴らしいイマジネーションである」
Columbia Survival Labelsは、本来ユーザーから役に立たないゴミだと思われていたものを「万が一の時のために取っておきたい」アイテムに変身させました。取っておきたいと思わせることで、常にその存在を喚起し、ブランドに「広告」効果をもたらします。このタグを目にすることで、Columbiaを思い出し、ブランドのポジションについて考えるのです。このアピールは広告よりももっと記憶に残りやすく、賞味期限もより長く続きます。これこそ私がよく口にする「有意義なマーケティング」です。消費者の立場に立って考え、消費者が必要とし、価値のある情報を提供するという利点。
それだけでなく、Columbiaはさらに「現代人にとって非常に必要な」トピックを提供しました。これはアーミーナイフよりももっと話題性があり、より友達とシェアする価値があります。Facebook上で「このタグを使って木の摩擦で火を起こす」というおもしろおかしいライブ動画を公開したり、パーティーで見せて話題にしたり、あるいは同僚との会話でも、いずれにしても素晴らしいトピックになります。その上、もし何も準備しておらず、何もない野外という状況に遭遇したら、「洋服のポケットにこのサバイバルキットを入れておいてよかった」と喜ぶことでしょう。
いかがですか、完璧ですよね。あなたもきっと欲しくなったでしょう!ただ、現在トルコのイスタンブールのColumbiaの旗艦店でしか手に入らないのが残念です!