ガマニア人の皆さんは前号のG!VOICEでDesign Thinkingという概念を十分理解したことと思います。UX Labも多くの場でドキュメンタリーフィルムの上映会を行いました。そこでUX Labでは4月29 日、このドキュメンタリーの監督である蔡牧民氏とクリエイティブディレクターの頼佩芸氏を特別に招いてガマニアの皆さんと彼らの起業、そして4人の小さなチームでどのようにしてこれほどまでに影響力を持つドキュメンタリーを創造することができたのかを分かち合ってもらいました!
▲(左)クリエイティブディレクター-頼佩芸、(右)監督-蔡牧民
サンフランシスコのアカデミー・オブ・アートを卒業した蔡牧民氏と賴佩芸氏は、それぞれ映画学科と広告学科に在籍していました。卒業後1年間働いてから起業することを決意してMuris繆思有限公司を設立しました。蔡牧民監督はこのドキュメンタリーの制作において、これまでの大きなコストと人力を使った制作方法の常識を覆したことに触れました。蔡牧民氏と賴佩芸氏は台湾クリエイティブセンターのサンフランシスコ支部の楊育修氏と黄幼萱氏に会い、このドキュメンタリーフィルムについて互いの考え方を話し合いました。台湾クリエイティブセンターはこのアイデアを面白いと思い、さらに積極的に提携することにしたのです。台湾クリエイティブセンターが提供した多くのデザイン界の人脈が器材と映画制作を提供できたことから、4人の小さなチームが出来上がりました。台湾クリエイティブセンターサンフランシスコ支部の小さなオフィスで4人は映画制作の方向について尽きることのない発想を始めたのです。
▲台湾クリエイティブセンターサンフランシスコ支部の小さなオフィスでの4人によるBrainstorming。
Kick Starterはアメリカ最大のクラウドファンディングプラットフォームです。このプラットフォームは多くの人の創意とアイデアについて、群衆の力によって十分な資金を集めて更なる製品の開発と研究を進めるというものです。ドキュメンタリーフィルムのDesign & Thinkingは初めてドキュメンタリーフィルムという方法でデザイン思考について探るというフィルムであったことから、Kick Starterで多くの支持とサポートを獲得しました。蔡牧民と賴佩芸の両氏もKick Starterを使ったドキュメンタリーフィルムの資金集めに成功し、このフィルムを独立して完成させました。
▲Kick StarterのDesign & Thinkingドキュメンタリー資金募集成功の画面。
撮影の過程について、蔡牧民監督によれば、普通の撮影チームが持っているべき専門の設備はすべてスーツケースに入れて持ち運べるサイズにまで簡略化し、ニューヨークからサンフランシスコまでそのスーツケースをもって撮影をしたということです。このような軽量型の民主化された制作方法は一つのトレンドです。しかし、ポイントは内容とアイデアにおいていかに他とは違うものであるかということです。
また、彼らのBGMはハリウッドクラスのHaim Mazarが手がけています。彼はKick Starterで監督たちと連絡を取り、そのドキュメンタリーフィルムのアイデアとトレーラーに興味を持っていることを伝えました。Haim Mazarは善意を伝えるとともに自発的に友情による提携の誘いをしたばかりではなく、スピルバーグ楽団の演奏者を招いてBGMの録音に協力しました。監督はこの協力をたいへん光栄に感じたそうです。より多くのクリエイティブな人材を集めるKick Starterのようなプラットフォームはもう一つの強い力かも知れません。
▲BGMに耳を傾ける監督と映画音楽作曲家Haim Mazar。
▲当日座談会に出席した観衆。
放映の企画にはこれまでの映画館で放映するという戦略はなく、放映申請という方法でこのドキュメンタリーを世界各地の機構に浸透させようとしました。伝統的な会社も新たな会社もこのテーマについてはたいへん興味を持っていました。
▲世界各地に広がるDesign & Thinkingドキュメンタリーフィルムの放映範囲。
映画の制作面において自分で行うというだけではなく、映画のブランディングと商品デザイン、さらにはこの募集計画を支持してくれた支持者への記念品の郵送など、監督たちは自らの力で一歩一歩あらゆることを実践していったのです。なぜ大企業がガレージで起業した小さい会社に痛い目にあわされるのでしょうか。伝統への挑戦と絶えず実験を続け、革新を行う精神があれば、より多くの影響力を発揮する機会があるのです!
▲蔡牧民監督が彼らの起業の過程で最も深く影響を受けた座右の銘。
“The best way to predict the future is to create it.”講演の終わりに蔡牧民監督が挙げたこの言葉はリンカーン大統領の言葉ですが、監督たちの起業の過程ではこの言葉はたいへん重要な座右の銘となっていました。皆さんとこの言葉を分かち合うことで、皆さんがより多くのアイデアを実践し、また変化を起こすことを願っています!
イメージソース:
http://www.kickstarter.com/projects/designandthinking/design-and-thinking-a-documentary?ref=livehttp://www.designthinkingmovie.com/blog/?attachment_id=367